今から2、3年前に聞いた噂話です。
私が勤める会社のお客さんで、外国の企業が有るのですが、そこからの注文がものすごい量で、毎日毎日、その会社向けの製品をフル生産していた時期が有りました。
「ホンマにお客さんでこんなに沢山の製品を消費しているのか?」とビミョーな疑問を抱いておりました。
その頃、どこからかこんな噂が聞こえて来ました。
どうやらその会社に新たに雇われた購買のマネージャーが、生産予定に関係なく、膨大な量の発注を掛けているらしいのです。
顧客の倉庫は私の勤める会社が納めた製品であふれ返り、大変な事になっているようです。
それでも大量発注を止めない購買のマネージャー。
なぜ彼はそんな事をするのか。
それは、購買マネージャーが会社から課せられた課題が「資材の購入単価を下げる事」の一本勝負だったからです。
大ロットで発注すれば単価が下がるのは当たり前です。でも、使用予定と関係なく資材を買いまくったら、会社としては大きな損がでるのはだれでも分かります。
でも、その会社が購買マネージャーと交わした契約は「資材の購入単価を下げたら報酬をアップする」と言う、しごく単純なもの。
購買マネージャーは、自分の報酬が上がればそれでよくて、会社の経営状態のことなんか、微塵も考えていなかったのです。
私は、世の中にはおかしな会社が有るもんだと思っていました。
そして最近になって、その影響が遂に身近なところにやってきました。その顧客からの注文がパタリと止まったのです。期間にして半年以上。
多分あの購買マネージャーが顧客の会社からいなくなったんでしょう。沢山の報酬を貰って。
最近その会社は、経営状態がものすごく悪いみたいです。当たり前ですよね。
そのうち無くなっちゃうかも。