門前の小僧になりたいくらげ

学究的な空気に憧れて専門家の周りに出没しては雑感を綴るブログ。化石鉱物系がやや多し、の予定。

福井県立恐竜博物館〜2017.10.09〜

2017年10月27日 | 博物館

 言わずと知れた恐竜王国福井の県立博物館です。「化石をわざわざよそに運ぶの面倒だし、発掘場所の近くに研究施設&博物館を作っちゃえということでできました(関係者談)」という、恐竜好きにとってはなんともありがたい博物館です。

 建物は黒川紀章氏の設計によるもので、丘陵地帯?の田園風景の中に突如銀色の卵が現れます。博物館の公式HP内の文章をお借りすると、「人にやさしく周辺の自然環境と調和し恐竜化石産地としてのシンボルとなるような建物」を意図して設計されているとか。起伏など元の地形を積極的に利用して建てられ、入ると左右対称の美しい空間が広がります。展示を見る前からワクワクするような空間だな〜と思います。

 常設展示のエリアの始めにあるカブトガニの死のダンス。これがまた大きな生痕化石(と実体化石)で、写角に困るほど大きいのです。この前に立つとどんなに入館者が多いときでもなぜか静寂を感じます。

 カマラサウルスの幼体の産状化石です。この展示の両脇にメインホールへ繋がる階段が2本伸びています。どちらを昇ってもじっくり見られる♪とくらげびとは喜んだのですが、皆様動くティランノサウルスが目的なのかホールへ急ぎ足。あまり見てもらえなくてちょっとかわいそうな化石です。

 これはカマラサウルス属の一種で、まだ種が確定していない実物化石です。写真では分かりにくいのですが、副肋骨があります。以前安藤氏の講演をお聞きしてから副肋骨も気になっている息子その1、やはり反応しております。

 今年2月9日に5種類の新種の恐竜化石とそれらが発見された発掘現場が国の天然記念物に指定された記念に、いつもは研究速報的な展示をするコーナーにそれらの標本がわかりやすく展示されていました。写真はフクイベナートルです。

 いいなあ、と息子その1が羨ましがる機器の揃ったクリーニングルーム。この日も黙々とクリーニングが行われていました。

息子たちが恐竜好きということを差し引いても、何度も訪館したくなる博物館の一つです。

 

参考:福井県立恐竜博物館