花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

那須・南月山のイワインチン・その4

2010年09月03日 | 登山
(都合により俯瞰図を削除いたしました)

各区間距離 及びコースタイム(目安)上り・下り
登山口→白笹山 2.5Km 上り1:50・下り1:15
白笹山→南月山 1.3Km 上り1:00・下り0:45
南月山→日の出平 1.1Km 上り0:30・下り0:30
日の出平→日の出平登山口 2.8Km 上り2:00・下り1:20
日の出平登山口→沼原分岐 0.6Km 上り0:10・下り0:10
沼原分岐→沼原駐車場 1.0Km 上り0:15・下り0:10
総距離 9.3Km この道順で一周おそよ5時間の見込みになる。(食事・休憩含まず)

少し見にくいので説明すると、登山口の左が駐車場で、さらにその左が調整池である。
調整池の上(北)に赤紫の腺で描かれている楕円形のコースが沼原湿原の木道
(沼原調整池を示すオレンジの腺が図に紛れて見にくくなって申し訳ない)

湿原から戻って、改めて登山の準備をした。
アクエリアスの500mlのボトルを三本を入れたが、少し不安であった。
もしかしたら足らなくなるかも。(後で不安は的中した)
余分に持参していたが、荷物を軽くしたいが為にケチったのである。

そしてGPSも忘れてきた事に気がついた。
筑波山の観察会に持って行ったザックに付けたままで忘れたのだ。
那須連山でただ一つ未踏の黒尾谷岳に行くつもりであったから、これは大失敗である。
なんて事だ、しかしクヨクヨしても始まらない。気を取り直して食料と非常食のチョコを
入れて出発準備完了。


白笹山への登山口は、車道の突き当たりから右に入る。言うなら駐車場のトイレの右脇の
車道から入るのだが、案内板も何もない。
しかも入り口は踏み跡のような細い道で、排水溝を越えて入るので、初めての人は判り
づらいかも知れない。
9時40分頃、登山口を出発。

しばらくは平坦な樹林帯の中を歩くが、中にはいると笹は刈り払われて道はしっかりしている。
トイレの脇でクレーンを操っていた作業員の声が、時折風に乗って聞こえてきたが、鳴き交わす
セミの声が、いかにも蒸し暑い初秋の昼である。


少し開けた所にでたら、そこに最初の案内標柱が立っており、まっすぐが白笹と南月山方向
を示している。
日差しで文字が読めなくなってしまったが、黒くなっている方が白笹山・南月山の表示
白く飛んでいる方に沼原駐車場の表示がある。


だがここから左に入る踏み跡も有るので紛らわしいが、そこには白笹山の方向を示す
小さな案内板も建てられていた。


付近にはヤマハハコの花も咲いていたり。


少し先の道ばたには、ウツボグサも点々と咲いて日差しを一杯に浴びていた。

再び笹と樹林帯の道になり、ムッとするような熱気に汗がしたたり落ちる。
首に巻いた登山用の吸湿・速乾・消臭の長いタオルも、乾く暇がない。
アクエリアスを一口飲もうと立ち止まり、何気なく足下を見たら、アオスズランのような
花がひっそり咲いていた。


石のゴロゴロする枯れた沢を渡り、しばらくするとバイプに細い板を渡した橋がある。


こういう橋は、どこまで信用して良いのか判らないので、片手でしっかりパイプをつかんで
渡った。
段々傾斜がきつくなって、こんな暑い日に、このコースを選んだのは失敗だったかもと少し
後悔していた。


白笹山は、名前のごとく笹と樹林帯のコースで、急登の連続である。
辺りを見回すと、五葉ツツジの大木が結構有るのだ。
春のツツジの時期は、白い花で彩られるであろう。
足下には、五枚の葉のゴカヨウオーレンと思われる葉が無数にある。


いい加減くたびれた時、L字型に曲がった木が有る。
ベンチ替わりに座って、喉を潤すと、飲んだ水が汗となって噴き出してくる。


やっと二つ目の案内標柱が有った。
そこはY字型の分岐で、白笹山は左に登る。
右方向の直線道路は、どうやら作業用の道路らしい。

沼原へ1.5Kmと言う、立木に縛り付けた看板を見送り、尾根を回り込むと


笹の葉は刈られているが、茎が40Cmほどもある笹竹の残っている登山道になった。
こんな所で転んだら、お尻に穴が開くこと請け合いである。


やっと白笹山へ0.5Kmの案内板があった。
時計を見ると11時20分を過ぎている。
ところがである。この500mの長いこと。
暑さと、喉の渇きに疲れているので、いつもより距離が長く感じるのである。

空を見ると妙な雲が広がりつつ有った。


登山道に咲いているのはイワオトギリの様である。
葉っぱをすかしてみると、黒点が葉の全面に有った。


ジグザグの急登を上り、左の樹林が切れた所で、日の出平から伸びる尾根が見え、場所に
よっては、沼原の湿原が霧の間に見えたりする。

昨年、那須の紅葉を見に来た時、今日とは逆に白笹山から沼原に下ったが、その時に
このコースにはツルリンドウが多い事を知った。


今年も、ツルリンドウが沢山咲き出していた。


ツルリンドウ リンドウ科ツルリンドウ属 茎は蔓性で、花がリンドウに似る。
花の色は淡紫色でトランペット形。実は楕円球形で赤い。


11時58分、白笹山山頂にたどり着いた。この山頂は展望がない。
証拠写真を撮って、直ちに昼食にする。

大汗をかいたので、コンビニで仕入れた朝づけキュウリをバリバリ食べる。
失った塩分の補給には、これが一番である。生き返ったような気がする。

ゆっくり休みたい所だが、空模様が怪しい。
このところの北関東の山沿いは、激しい雷雨に見舞われているらしいから、雷雨の来る前に
下山しなければならない。
黒尾谷岳に行くのは諦めた方が良い。

南月山のイワインチンの写真を撮ったら、同じ道を帰るつもりだったが、登りのきつさで
ピストンするのは嫌になった。
頭の中で帰りのコースをどこにするか考えて、そう言えば日の出平から沼原に抜けるコース
が有ることを思い出した。
以前、花友が歩いて、藪こぎで嫌な道と言っていた事がある。

沼原の入り口に熊注意の看板が有ったから、注意すべきは熊との遭遇である。
ザックの熊鈴をなりやすい位置に変更した。
コースが決まったから直ちに南月山めがけて出発することにした。
続く