削蹄道具が壊れたり、不具合が生じると、時々治してもらうのに訪れるのが恵庭市にある明珍(みょうちん)鉄工所である。自分の住んでいる江別からは近いところにあり車で30~40分ほどで着く。今日は現場が近く直蹄刀(ちょくていとう)が折れたので溶接してもらうのと、剪鉗(せんかん)の改良、調整を頼みに来た。少しくらいなら自分で治すのだが、やっぱりプロに頼んでしまった方が安心である。削蹄をやりたての頃は削蹄鉈(さくていなた)や直蹄刀を作ってもらったりもした。紙に火をつけあっという間に火床(ほど)の石炭は赤くなる。鉄を赤めると金床にハンマーでリズム良くトンカントンカン叩きつける。鉄はあめ細工のようにみるみる形を変えて行く。鉄や鋼が道具になっていく瞬間である。鉄工所は四代目の明珍武康さんが五代目である長男の親範さんとやっておられる。もともと農具のくわなどを作っていて、映画「北の零年」で吉永小百合さんと渡辺謙さんたちが持っていたくわも明珍さんが作っ
たものだ。鉄工所にはロケ現場で撮った明珍さん等と吉永小百合さんの写真と使ったくわが飾られている。そういえば自分はこの話を聞いたときすぐ映画を視に妻と行ったけど、くわばかり見てたような気がする。
たものだ。鉄工所にはロケ現場で撮った明珍さん等と吉永小百合さんの写真と使ったくわが飾られている。そういえば自分はこの話を聞いたときすぐ映画を視に妻と行ったけど、くわばかり見てたような気がする。