◇
◇
従来、否定論者だった、辻惟雄(つじのぶお)さんが、
「岩佐又兵衛~浮世絵をつくった男の謎~」(文春新書)の中で、
「舟木本・洛中洛外図」の作者は岩佐又兵衛、、、、
と肯定説に転じたことで、
「舟木本・洛中洛外図」の作者を巡る長い間の論争には、
ケリがついた感がある
と昨日もこのブログで述べたが
では、「舟木本・洛中洛外図」とは
どのような洛中洛外図屏風なのか ?
◇
洛中洛外図 舟木本―町のにぎわいが聞こえる (アートセレクション) 価格:¥ 1,995(税込) 発売日:2001-03 |
◇
今、一番廉価で手に入り易い「舟木本・洛中洛外図」の解説書は、
「洛中洛外図・舟木本~町のにぎわいが聞こえる~」(奥平俊六著)
だろうから、これを見るのが手っ取り早い。
◇
同書は、「舟木本・洛中洛外図」の
各場面を見開き2ページに切り取り、拡大し、
それぞれ描かれた人々の職業や、
当時の風俗、絵師の工夫(見所)
などについてオールカラーで解説しているから
通しで読むと、紙芝居か何かで
江戸初期(大阪夏の陣直前)の洛中洛外巡りをしたような
感じの味わえる不思議な出来上がりになっている。
◇
「町のにぎわいが聞こえる」とはよく言ったもので、
2次元・無声の世界とは、到底思えない
生々しさや賑やかさが、この本からは伝わってくる。
これは、もちろん、
原画の作者(岩佐又兵衛)の力量によるところ大だろうけれど、
この本の企画や編集の巧みによるところも少なくないと思う。
いずれにしろ、
- 「舟木本・洛中洛外図」について、知りたい方
- 江戸初期(大阪夏の陣直前)の京都に、しばし、タイム・スリップしたい方
には、最適の本だと思う。
◇