老後は京都で !

京都の町中(堺町六角)と東京(青山)を気ままに行き来する二地域居住を実践中。 

「洛中洛外図・舟木本~町のにぎわいが聞こえる~」(奥平俊六著)

2008年10月29日 | 江戸時代の京都

従来、否定論者だった、辻惟雄(つじのぶお)さんが、

「岩佐又兵衛~浮世絵をつくった男の謎~」(文春新書)の中で、

「舟木本・洛中洛外図」の作者は岩佐又兵衛、、、、

と肯定説に転じたことで、

「舟木本・洛中洛外図」の作者を巡る長い間の論争には、

ケリがついた感がある

と昨日もこのブログで述べたが

(→「岩佐又兵衛~浮世絵をつくった男の謎~」(辻惟雄著)、

では、「舟木本・洛中洛外図」とは

どのような洛中洛外図屏風なのか ?

洛中洛外図 舟木本―町のにぎわいが聞こえる (アートセレクション) 洛中洛外図 舟木本―町のにぎわいが聞こえる (アートセレクション)
価格:¥ 1,995(税込)
発売日:2001-03

今、一番廉価で手に入り易い「舟木本・洛中洛外図」の解説書は、

「洛中洛外図・舟木本~町のにぎわいが聞こえる~」(奥平俊六著)

だろうから、これを見るのが手っ取り早い。

同書は、「舟木本・洛中洛外図」の

各場面を見開き2ページに切り取り、拡大し、

それぞれ描かれた人々の職業や、

当時の風俗、絵師の工夫(見所)

などについてオールカラーで解説しているから

通しで読むと、紙芝居か何かで

江戸初期(大阪夏の陣直前)の洛中洛外巡りをしたような

感じの味わえる不思議な出来上がりになっている。

「町のにぎわいが聞こえる」とはよく言ったもので、

2次元・無声の世界とは、到底思えない

生々しさや賑やかさが、この本からは伝わってくる。

これは、もちろん、

原画の作者(岩佐又兵衛)の力量によるところ大だろうけれど、

この本の企画や編集の巧みによるところも少なくないと思う。

いずれにしろ、

  1. 「舟木本・洛中洛外図」について、知りたい方
  2. 江戸初期(大阪夏の陣直前)の京都に、しばし、タイム・スリップしたい方

には、最適の本だと思う。

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