京都滞在の最終日だった、日曜日(26日)も、京都は雨だった。
朝、イノダコーヒーで朝食をとった後、雨の中、祇園方面に買物に出かける。
雨色の京都―雨などの降りてつれづれなる日 (SUIKO BOOKS) 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:2004-10 |
色とりどりの傘の行き交う四条大橋、水かさを増した鴨川、雨に煙る三条方面の景色など、水野克比古さんの「雨色の京都」ではないが、雨の日の京都には、確かに、独特の情緒がある。
買物を済ませた後、レストラン菊水の1階喫茶コーナーで、休憩し、その後、買いもらした書籍を買いに、ジュンク堂・河原町店に寄って、堺町・六角の近くの拙宅に戻ったのは、3時少し前。
帰りの新幹線には、まだ時間があったが、早めに出かけることにする。
昔と違って、京都駅自体が、巨大なアミューズメント空間になっていて、中途半端な時間を過ごすには、もってこいの場所なのだ。
五木寛之さんが、雑誌のインタビューか何かで、「京都で一番好きな場所は?」と尋ねられ、「京都駅ビル」、と答えていたのを、読んだことがある。
これを読んだときは、あまりの答えに、思わずノケゾッたものだが、
歩いている人間が蟻のように小さく見える巨大な空間や、天空まで昇るような錯覚を起こす、長いエレベーターなど、京都駅ビルの、現代文明そのもの、といった感じの黙示録的空間には、確かに、迫力がある。
(→しかし、あれを、なにも、よりによって、京都に創らなくても、とも思う)
いずれにしろ、四条通りや河原町通りに匹敵するほど、人の集まる、商業施設の集積地域が、あたかも、一夜城のようにできたのだから、凄いことだ。
駅ビルの内部が一望できる、ホテルの喫茶コーナーで、珈琲を飲みながら、そんなことを思う。
紅葉の季節でも、桜の季節でもないのに、何故、京都には、こんなに人が、多いのだろう、そう考えながら、人をかき分け、新幹線のホームに上がったのは、4時40分頃だったろうか。
ホームから、薄蒼い夕闇に包まれた京都の街を見ながら、今回の京都滞在のこと、次に京都に来るときのことを、しばし考える。