老後は京都で !

京都の町中(堺町六角)と東京(青山)を気ままに行き来する二地域居住を実践中。 

「王朝貴族のおまじない」

2021年10月14日 | あやかしの街・京都

( kindle版あり )

「 著者からのコメント

やたらと暑かった先年の夏のある日、
調査のために半ばやむなく灼熱の京都を訪れた私は、
そこで一人の老尼と出遭いました。
そして、その老齢の尼僧から、
王朝時代の人々が日々の生活の中で用いていたという
幾つもの呪術を教えてもらうとともに、
それらの呪術にまつわる
王朝時代のさまざまな出来事について
語り聞かされたのでした。

出版社からのコメント

王朝貴族もの、陰陽師ものを次々と執筆して、
今注目の繁田信一氏の最新刊。
平安時代に日常的に使われていたおまじないを、
老尼の口を借りて紹介します。
1項目につき4頁、約50項目で、
読みやすく楽しい内容です。
坂田靖子さんのイラストもぴったりの、
これまでにない繁田ワールドにご期待ください。

内容

平安時代の貴族は呪われたり祟られたり、
神罰を受けたり、
化け物と遭ったり、
毎日不安でたまらない。
そこで…
伝わるおまじないをエピソードとともに御紹介。

抜粋

●未来を知りたい
 
「岐塞 夕占の神に 物問はば 道往く人よ 
占正にせよ(ふなどさえ 
ゆうけのかみに ものとわば 
みちゆくひとよ うらまさにせよ)」
 
(1)道に出て右の呪文を三回唱える。
(2)自分の周囲に米を撒き散らす。
(3)櫛の歯を三回鳴らす。
(4)米の散らばる範囲を通りかかった人の言葉に耳を傾ける。

(前略) 

さて、その時姫さまでございますが、

まだお若くていらした頃といいますから、

藤原兼家さまとご結婚なさる以前のことになりましょうか、

一度だけ、ご自身で夕占をなさったことがございました。

ある日の夕方、

お米や櫛をお持ちになって二条大路にお出ましになり、

そこで呪文を唱えたりお米を撒いたり

櫛の歯を鳴らしたりということをなさって、

ご自身の将来をお知りになろうとされたのです。

(中略) 

けれども、これは、

受領さまのお嬢さまのお振る舞いとしましては、

ずいぶんと大胆なものでございましたから、

きっと、お父上の中正さまには内緒で

なさったことだったに違いありません。

(後略)

著者について

繁田信一
 
1997年東北大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。
2003年神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科博士後期課程修了、
博士(歴史民俗資料学)。
神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員、
同大学外国語学部非常勤講師。
著書に『陰陽師』(中央公論社)、
『平安貴族と陰陽師』『呪いの都 平安京』(以上、吉川弘文館)、
『殴り合う貴族たち』『王朝貴族の悪だくみ』(以上、柏書房)、
『天皇たちの孤独』(角川書店)などがある。
 
坂田靖子
 
大阪府高槻市出身、石川県金沢市在住。
1975年、『花とゆめ』掲載の「再婚狂騒曲」でデビュー。
以来、白泉社、小学館など幅広い雑誌で活躍。
英国を舞台にした作品のほか、
さまざまなファンタジーや
日本の怪談・説話を素地にした作品も多い。
『闇夜の本』『バジル氏の優雅な生活』
『マーガレットとご主人の底抜け珍道中』『水の森奇譚』
『芋の葉に聞いた咄』『磯の貝に聴いた咄』
『堤中納言物語』『伊平次とわらわ』など多数。      」

( kindle版あり )

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