震災地では 高台移転で土地高騰
津波で自宅を失った被災者が、
自治体の高台移転の復興事業を待てずに
保険金や老後の蓄えを投じて高台の住宅地を購入し、
独自に移転する動きが宮城県では広がっていることが分かりました。
こうした移転の影響で、女川町では、
土地の取引価格が2倍から10倍以上に高騰する現象も起きています。
宮城県内の不動産業者などによりますと、
津波で大きな被害を受けた沿岸部の自治体で、
自宅を失った被災者が高台の土地を購入する動きが広がっていることが分かりました。
長引く避難生活のなか、自治体の復興計画を待てず、
老後の蓄えや震災で受け取った保険金で住宅を再建しようとしているということです。
このうち高台の住宅地が少ない女川町では、
町が高台に土地を造成して住民を移住させる計画ですが、
実現まで相当の時間がかかるとみられることから、
個人で高台の土地を購入する人が相次いでいます。
この影響で土地の価格が高騰し、
震災前の2倍から10倍以上で取り引きされるケースが出ています。
ことし6月に、震災前の2.4倍の価格で高台の土地を購入したSさんは
「値段を聞いた時は驚いた。しかし、もう土地が残っていないと聞き、高くても購入することにした」と話す。
また、隣の石巻市でも10年以上前に分譲されたものの売れ残っていた高台の分譲地が、
震災前より平均で20~30%高い価格で完売したということです。
その一方、高台に移転したくても値上がりした土地を購入できないという被災者も出ています。
女川町の自宅を失い、夫も行方不明のAさんは「何とか買いたい気持もあるけど、
子どものことを考えると今後の生活にお金もかかるし、借金してまで買うのは難しい」と話してます。
宮城県宅地建物取引業協会石巻支部の高橋支部長は
「津波が来ないところを探して、多くの被災者が集中して移住しているため、
値段がつり上がっている」と話しています。
土地の価格はあくまで需要と供給の中で決まるものですが・・
困ったものですねぇ・mmmm