大谷翔平へのエール

大谷翔平がヤンキース戦でベンチを温めている間にホームラン争いは、ペレスに1本差、ゲレーロｊｒ.に2本差と迫られている。ちょっと冷や冷やものだ。
おそらく大谷翔平はホームランを打たなくてはという意識に捉われているのではないかと思われる。技術的なことはわからないが、精神的な面なら少しはわかる。
フランクルの逆説志向だ。強迫神経症などで緊張すると顔が赤くなったり手などに発汗が激しくなったりする症状がでる。緊張しないようにと思えば思うほど症状がさらに激しくなる。
逆に「よし、みんなが驚くほど顔を赤くして見せよう」とか「滝のように汗を噴き出して見せよう」というような気持になれたら、途端に症状が消えるということがあるらしい。

浅田真央のトリプルアクセルでもそう思った。転ばないようにと強く思えば思うほどスッテンコロリンと彼女は転んでしまった。
「よし！派手に転んで見せよう」とまでいかなくても、「転んでもかまわない」という気持ちで臨んでいたらミスをしなかったのではないか。
大谷翔平も「ホームランを打たなくちゃ」と心が虜になっていたら、野球も楽しくないだろう。以前のようにタイトルなどまったく考えず、無心にグランドを駆けまわっていた頃のことを思い出せばいい。一球一球を一打一打を楽しめばいい。

チン・ニンチュウも言っている。「成果をあまり気にかけないようにすれば、らくらくと実行力を高められる」、「失敗と成功の重荷を下ろすことである」、「成功を意識するのを止めれば心が安らぐ、そして、それほど努力しなくても、不思議と良い結果が生まれてくるのだ」と。
大谷翔平が気づいてくれるといいな。

あと心理戦でおもしろいのは追われるよりも追う方が楽ということがある。今大谷翔平はトップを走っているが一度トップを譲って見たらどうだろう。
ペレス選手が候補だがトップに立ったら急にスランプに襲われることがある。ホームラン王が取れるかもしれないと思った途端要らないところに力が入るのだ。失敗してはいけない。打たなくてはいけないという心理が強く働くのだ。
残り22試合となっている。1試合1試合、1戦1戦、固唾を吞んで正座しながら応援しようじゃないか。