この人生、なかなか大変だぁ

日々の人生雑感をつれづれに綴り、時に、人生を哲学していきます。

TPP問題にもの申す

2011-10-26 20:20:22 | 意見がありますけど
TPP問題が話題になっている。
ニュースでは政権を持つ民主党内でも加入不加入喧々囂々のようだ。
以前、ブログ「尖閣衝突事件につれづれ思う」(2010.11.7)で書いたように、わたしはTPP加盟賛成派である。
参加国がどうなるかも大切なことだろうが、何より中国封じ込め効果があるし、逆に中国やインドが加盟するようなら日本産業復活の起爆剤になると思うのだ。
起爆剤にできないほど日本の重工業や先端技術が世界に後れをとってしまっているのなら静かに死んでいけばいいし、安く入る農産物でわれわれ国民は細々と生きながらえればいいと思う。

死にそうな農のために日本を牽引している自動車産業をはじめとする輸出産業を犠牲にしろというのは大きな損失だと思う。
これまで関税障壁を乗り越え、けなげに闘ってきた産業を、関税の壁に手厚く守られながらも国際競争力がつかないどころか後継者不足に悩んでいるような弱体産業のどちらを二者択一しなければならないとしたら答えは明らかではないだろうか。

保護政策によって産業は育たない。ただ、衰退をだらだらと延ばすだけだ。むしろ保護政策をとっぱらったら一時的に廃業や倒産はあるかもしれないが、その後大規模な農地の整理統合が進むかもしれないし、農業の法人化が急速に進み雇用の拡大も考えられる。国際競争力のある企業がきっと育ってくると思う。それまで補助金に充てていた支出がなくなる分を産業育成の支援策に回せるのではないか。
大きく企業化すれば水耕栽培による工場化も考えられる。そうすれば、冷害や台風などによる不作もなくなり安定した生産が望めるはずだ。これらは小規模農では決して行えない。
都市の周辺なら相変わらず新鮮な野菜が求められるし、決して輸入品には負けないだろう。
ブランド米に見られる付加価値の探求や食の安全の観点から付加価値をもつ農産物ができるはずだ。まったくの暗黒面ばかりではない。

こんにゃく農家の話が出ていたと思うが、こんにゃくを保護するためにどれだけ日本の基幹産業が犠牲になると思うのか。まったく比べものにならない。
TPPに加入したら、われわれの口にこんにゃくが入らないんじゃない。むしろもっと安いこんにゃくが食べられるようになるのだ。
報道ステーションで113億円が11億円になってしまうと言っていたのは、こんにゃく農家の収入が減ってしまうという反面、われわれ消費者の負担がこれだけで済むということなのだ。
こんにゃくを食べない人もいるが、これまでこんにゃくのためにこれだけお金を使っていたものが別の消費に回せるという経済波及効果があるのだ。
父親がこんゃく農家の家庭にとっては大変なことだが、国民のほとんどがこんにゃくにもJAになんのゆかりもない。彼らに乗せられてTPP反対に与する義理はまったくないのだ。

今お米を作っている農家の7割が兼業農家だという。つまりサラリーマンをしながら、アルバイトでお米を作っているのだ。一ヘクタールあたりに補助金が3万円だか下りるらしい。そんなにまでしてお国が抱え込んでいる農のために自動車産業や電気産業に我慢しろとは言えないんじゃない?

悩ましいのは食の安全の問題だろうし、自給率の問題だろうが、これはTPPと直接関係する問題ではないと思う。
輸入業者のモラルの向上や現地の指導などで解消されていくだろうし、スーパーやコンビニなどで廃棄される食品を計算から除外すれば自給率の数値は格段に上がるものだと思う。また、TPP加盟後に巻き起こる農業の改革によって改善は十分に考えられると思うのだが・・・。

未曾有の事態になると思う。これまで既得権に甘んじていた人々にとっては驚天動地の事態であろう。
やはりこれは維新と匹敵するぐらい画期的なことなのだ。その時、武士たちは路頭に迷ったし大騒ぎしたが、大きな歴史の流れの中でそれは一時的なものだった。
眠れる(農の)日本国にとってTPPは黒船になるのだ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 父の死 | トップ | 2012.12.23 ワンダー?ワン... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

意見がありますけど」カテゴリの最新記事