当地の桜、まさに今が見ごろ。
今朝、妻は早くから近くの川辺に桜ウォッチに出かけておりました。
写真は数日前の近所の桜です(妻撮影)。
私は、このところの体調不良のひとつである眼球運動の不具合などで、ごく近くで見る以外はピントが合わず色合いだけ楽しめるのみなので、あまりお花見したいという気にはなれません。
ダルさも常にありすし・・・。
まあ、その話は置いといて・・・。
「花」(二部合唱、武島羽衣・詞/滝廉太郎・曲)
合唱:日本女子大学合唱団
ピアノ:頼岡三重子
指揮:木下 保
録音:1967年7月24日 世田谷区民会館(セッション録音)
滝廉太郎の「花」や「荒城の月」、「箱根八里」などを初めて聞いた(知った)のはいつのことだったろうか?
と考えても、さっぱり思い出せないですね。
いつか分からないけど、あちらこちらで何度も耳にして、知らないうちに「お馴染み」の歌として認知してきたのでしょう。
長らくの間、知ってはいるけど、ことさらに魅力を感じていたわけでもなかった、というのが正直なところでしたが、この曲がこんなにも美しく結晶の煌めきを発する名曲であると強く印象付けられたのが、この演奏でした。
この演奏(レコード)を初めて聴いたのは1973年(高校1年)。
当時、所属していた合唱部の部室(音楽準備室)のレコード棚にこれはありました。
それは上下巻(それぞれ3枚組)からなる「日本の合唱」という6枚のレコード。
1960年代発売ですから、収録されている曲にも「時代」を感じます。
実は若杉弘指揮の「水のいのち」が聴きたくて借りたのですが、1枚目最初の「花」に強烈なインパクトを受けました。
ピアノ・パートの一音一音、合唱のひとつひとつの発音、発声の全てに磨きあげられた上の純粋さが感じられました。
短くシンプルな前奏から合唱へと繋ぐ三つの八分音符のなんとニュアンス豊かに響くことか!
そして、1番、2番、3番の歌詞に連動した絶妙な表情の変化は、ほとんど「直線的」でありながら、聴いていて「ああっ~」とため息が漏れる見事さ。
何度も何度も聴き返し、当時の隅田川の両岸はどんなだったのだろうかと思い浮かべたものでした。
これを聴いた当時、ちょうどムラヴィンスキーが来日していて、ベートーヴェンの4番やショスタコーヴィッチの5番をTVで観て大いなるショックを受けたばかりでしたが、私はこの木下保氏の指揮にどこかムラヴィンスキーの音楽性と共通するものを感じたものでした。
その感覚は、後に「水のいのち/心の四季」を聴いて、より確かなものになり、以来、私は勝手に木下氏のことを「日本のムラヴィンスキー」などと呼んでいます。
当時ダビングしたカセットも朽ちてしまい、長い間聴けなかったのですが数年前にヤフオクで入手。
当時のビクター盤の特徴なのか、チリチリ音がちょっと多い目ですが、でも再会できてうれしいですね。
時々、取り出しては聴いています。
私も、当CDのことは最近知りまして気にしていたところです。
なるべく早いうちに入手したいと考えているところです。
沙羅は、合唱版ができて間もない時のレコードが手元にありますが、こちらも楽しみです。
時々おじゃまさせていただいておりましたが、ご挨拶せずに失礼しておりました。
「木下保の芸術」というCDが発売されましたので、お知らせしたく。
フォンテック(S)FOCD9765
・心の四季
・沙羅
・信時潔合唱曲集より
いずれも木下保指揮の大学合唱団によるライヴ録音です。
レコード芸術3月号に月評も載っています。
どうぞ皆様お健やかにお過ごしいただけますように。