映画「くちづけ」を観ました(レンタルDVD)。例によって、ほとんどリサーチなしで観たのですが、これは私(私たち)のような「知的しょうがい者を含む家族」にとって、「普通に映画を観る」ようにはとても観られない映画でした。
「知的しょうがい」のある娘(貫地谷しほり)と、彼女をほとんど男手ひとつで育ててきた父親、そして、彼女が入所したグループホームの面々が織りなす物語。
私たちから言うと、極めて必然的で「あたりまえ」の諸々が描かれています。
ピュアであるが故に起こる「笑い」「喜び」にも溢れていて、それも、私たちの日常と同じ。
同時に、私たちの日常の水面下に持続している「問題」を扱っている映画であり、泣いているだけでは終われない問題を正面からテーマにした映画でもありました。
「身体しょうがい」「視覚しょうがい」「聴覚しょうがい」などに比べて「知的しょうがい」への認知度は一歩遅れている、という実感を持っています。
登場人物の一人の言葉「この人ら『アホ系』?まじ、○○じゃん。」という感覚は、ほぼ一般的なものと言っていいでしょう。
ウチの子たちは、この映画に登場する「しょうがい者」の人たちよりもはるかに重度てあり、グループホーム入居も不可能なわけですが、この子たちの「生きている価値」「今、ここにいることの値打ち」が、他の全ての人たちとなんら変わらないということを明確に語れる人がどれだけいるのでしょうか?
「できることや考えることが相対的に非常に少なくて小さいけども、他の人と同じように平和を願いつつ、楽しいことも経験して過ごしていい」理由を即座に端的に言える人がどれだけいるでしょうか。狭い避難所などで、トイレも満足に使えない状況になった時でも、彼らの「普通」に「理解」を示してくれる人がいるでしょうか?少ない食料を分け合って食べなければならなくなったときに、この子たちにも「当たり前に」平等に分けられるでしょうか?パニックを起こして誰かの服を引っ張ってしまったり、夜中に大声を出したり(そんなこと、我が家では日常茶飯事の普通のことですけど)あるいは、もっと迷惑な行動をとったときに、周囲の人はどう思われるでしょうか?・・・悪い方ばかり考えているときりがありません。実際の私たちの日常も、不便なこと煩わしいことは多いものの、どちらかと言うと笑いが絶えず楽しいことの方が多いのですが、でも、そういう危惧は常に心の中にあるのです。
話が映画自体から逸れました。
好演している俳優さんの中で、小児科医をしつつグループホームを経営する国村先生の娘を演じる橋本愛さんが、やはり魅力的でした。
「あまちゃん」でアキの親友ユイを演じた彼女が、ここでは小さい時から「しょうがい者」と共に育ち、彼らに対してなんら分け隔てなく見る目を持った少女を好演しています。ホームに招いた友人の、上から目線と偏見に満ちた言動に激しく反感をぶつける姿は爽快でした。彼女は、やっぱり、こういうキャラを演じているときが私は好きです。「さよなら、ドビュッシー」の時よりも・・・。
公式HPより“あらすじ”
午後5時47分、一部修正
「知的しょうがい」のある娘(貫地谷しほり)と、彼女をほとんど男手ひとつで育ててきた父親、そして、彼女が入所したグループホームの面々が織りなす物語。
私たちから言うと、極めて必然的で「あたりまえ」の諸々が描かれています。
ピュアであるが故に起こる「笑い」「喜び」にも溢れていて、それも、私たちの日常と同じ。
同時に、私たちの日常の水面下に持続している「問題」を扱っている映画であり、泣いているだけでは終われない問題を正面からテーマにした映画でもありました。
「身体しょうがい」「視覚しょうがい」「聴覚しょうがい」などに比べて「知的しょうがい」への認知度は一歩遅れている、という実感を持っています。
登場人物の一人の言葉「この人ら『アホ系』?まじ、○○じゃん。」という感覚は、ほぼ一般的なものと言っていいでしょう。
ウチの子たちは、この映画に登場する「しょうがい者」の人たちよりもはるかに重度てあり、グループホーム入居も不可能なわけですが、この子たちの「生きている価値」「今、ここにいることの値打ち」が、他の全ての人たちとなんら変わらないということを明確に語れる人がどれだけいるのでしょうか?
「できることや考えることが相対的に非常に少なくて小さいけども、他の人と同じように平和を願いつつ、楽しいことも経験して過ごしていい」理由を即座に端的に言える人がどれだけいるでしょうか。狭い避難所などで、トイレも満足に使えない状況になった時でも、彼らの「普通」に「理解」を示してくれる人がいるでしょうか?少ない食料を分け合って食べなければならなくなったときに、この子たちにも「当たり前に」平等に分けられるでしょうか?パニックを起こして誰かの服を引っ張ってしまったり、夜中に大声を出したり(そんなこと、我が家では日常茶飯事の普通のことですけど)あるいは、もっと迷惑な行動をとったときに、周囲の人はどう思われるでしょうか?・・・悪い方ばかり考えているときりがありません。実際の私たちの日常も、不便なこと煩わしいことは多いものの、どちらかと言うと笑いが絶えず楽しいことの方が多いのですが、でも、そういう危惧は常に心の中にあるのです。
話が映画自体から逸れました。
好演している俳優さんの中で、小児科医をしつつグループホームを経営する国村先生の娘を演じる橋本愛さんが、やはり魅力的でした。
「あまちゃん」でアキの親友ユイを演じた彼女が、ここでは小さい時から「しょうがい者」と共に育ち、彼らに対してなんら分け隔てなく見る目を持った少女を好演しています。ホームに招いた友人の、上から目線と偏見に満ちた言動に激しく反感をぶつける姿は爽快でした。彼女は、やっぱり、こういうキャラを演じているときが私は好きです。「さよなら、ドビュッシー」の時よりも・・・。
公式HPより“あらすじ”
午後5時47分、一部修正
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます