静かな場所

音楽を聴きつつ自分のため家族のために「今、できることをする」日々を重ねていきたいと願っています。

朝比奈隆氏の誕生日にベートーヴェンとブルックナーの7番を聴く

2021年07月09日 21時23分13秒 | ブルックナー
今日、7月9日は朝比奈隆の誕生日。
ということで、以下の2枚を聴きました。

♪ ベートーヴェン/交響曲第7番
演奏:大阪フィルハーモニー交響楽団

1992年11月9日、ベルリン、自由ベルリン放送協会ゼンデザールにおけるライヴ

♪ ブルックナー/交響曲第7番(ハース版)
演奏:東京都交響楽団

1997年10月24日、 サントリーホールにおけるライヴ

 今日もいろいろと忙しかったのですが、それでも昼間にフルで2枚聴けるということはありがたいことです。ベルリンでのベト7、随分長い間、棚で出番待ち状態のディスクでした。つまり未聴盤(汗)。。。。すまんなぁ。で、聴いた感想ですが、本場ドイツへ、ワーグナー、モーツァルト、ベートーヴェンという本家本元道場破り(?)みたいな殴り込みプログラム(?)はおっさんと大フィルの面目躍如と言いたいところです。そして、さすがに海外公演。オケの精度、音色、デリカシー等にメンバーの気合と集中が感じられました。ただ、その、何と言うか、「ヘタできん」「どうや、すごいやろ」っていう意識が強かったのかどうだったか分かりませんが、国内での諸ライヴに比べると、その集中が普段よりは内に向かって燃焼しているように感じました。その分、熱狂度や思いっきりの良さという面では「やや地味」。あくまでも、我が家の鑑賞部屋にて感じたことですが・・・。大阪や東京で、燃えに燃え(萌えに萌え)、最後はブラボーおやじの蛮声を引っ張り出すような、あの雰囲気とは微妙に違う、決して足を踏み外さない優等生大フィル、と言えば言い過ぎか知れませんが、でも、そう思ったのでした。でも、これはこれで朝比奈氏と大フィルの誇らしい姿ですね。満足しました。

 ブル7は既に聴いている盤ですが、これはSACDで買い直したもの。といっても、前の通常CDを聴いたときは、スピーカーもプレーヤーも違っていたので音質比較はできません。ただ、SACDはかなり音量を上げても耳うるさいことはなく、極めて気持ちいいです。白い巨塔の威力、包容力はホンマ、素晴らしい!
 先日、チェリビダッケのブルーレイBOXを買って、7番のリハ映像に魅入ったばかりですが、あの冒頭部分を執拗に手入れしていく中で生まれてくる比類ない透明感と自然な息吹もまぎれもなくブルックナーですが、ここで聴く朝比奈さんの朴訥(ぼくとつ)で原木切り出しみたいな、木の香りがムンムンするような開始も、これまたブルックナー。偉大な楽曲の包容力はチマチマした比較話を虚しいものに追いやってしまいます。
1975年、大フィルの初海外公演直前に、名古屋で朝比奈さんのブルックナー7番を聴きました。ハース版は第2楽章の頂点での打楽器が無いので、ちょっと驚きましたが、その分、低音楽器の響きが腹にズンッと来ました。そして、第3楽章でティンパニが加わった時の新鮮さ、最高のワクワク感はいまだに鮮明です。ただ、本音を言うと、私はやはり、あそこは盛大にドンパチやってほしいところではあります。終楽章終了前の激遅テンポには頭に血が上ってしまうし、弦を目いっぱい弾くことで生じる稀有な絡み合いは、もしかしたら自然発生的なものかも知れませんが、朝比奈さん以外の指揮では聴けないもの。14種もある彼のブルックナー7番ですが、どれも違ってどれもいい。有名なフローリアン・ライブだけじゃないです。



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