バーンスタインのBOXものから1枚取り出して聴くのが楽しみなわけですが、先日はドイツ・ロマン派の序曲を中心に収めたものを聴いていました。
ウェーバーの「舞踏への勧誘」を聴いてびっくり。
これはかなりイケてる演奏でした。
この曲は「こども音楽館」に収められた石丸寛指揮の演奏で小学生の時から知っていましたが、なにしろ「紳士が女性をダンスに誘う」というシチュエーションが当時のハナタレ小僧にとってはチト恥ずかしく、聞くのも恥ずかしくて、なんとなくナイショで聴いていたようなものでした。
そのころは「エリーゼのために」とか「乙女の祈り」とかも同様で、聞いているところを見られるのが恥ずかしいって思ってたんですよ。
もちろん、今はそんなことはありませんが、積極的に「聴きたい」と思うほどでもなく、いくつかの演奏はなんとなく「ついでに」集まってきたって感じです。
さて、バーンスタイン盤ですが・・・。
導入部分の、紳士が女性に語りかけ踊りに誘う場面は「定石通り」(?)うやうやしくゆったりと丁寧に進みますが、ん?ダンスに移行する間合いがちょっと短くねぇ?と思ったのも束の間、エンジン全開急速ワルツの開始となります。
「私と踊っていただけますでしょうか?」
「えっ、私でよろしかったら、ぜひお願いいたします」
「いたします」の「す」が言い終わらないうちに、
「ほな、いこか!」
と、思いっきり手を引っ張られたみたいなフライング気味なワルツ開始(笑)。
そして、もう踊りに入ったらこっちのもの、とでも言わんばかりの、ちょっと強引っぽいけど若いエネルギーが弾けるワルツは不思議と魅力的。
中間部に入ってもテンポは落ちず、お相手の女性は、もう翻弄されされるがままのような感じてもあり、しかし、この生命力に満ちた踊りとお相手に丸ごと持っていかれているようでもあります。
やや高音がきつい録音のせいもあってギラギラしたままに最後はより華々しく、もうオシッコががまんできんって感じのせっかちさも感じさせて終演。
・・・って感じの演奏でした。
バーンスタインの曲への没入がとても感じられて気持ち良い演奏でありました。
で、ふと「舞踏への勧誘」って、いくつ持ってたっけ?
と思い、探してみました。
隅から隅までひっくり返したわけではないので、まだあるかもしれませんが、とりあえずCDは(バーンスタイン以外に)10種ありました。
以下の通りです。
カラヤン、フィルハーモニア管(1958年)
カラヤン、ベルリン・フィル(1971年)
カラヤン、ベルリン・フィル(1983年)
トスカニーニ、BBC響(1938年)
トスカニーニ、NBC響(1951年)
ホルスト・シュタイン、ウィーン・フィル(1977年)
フルトヴェングラー、ベルリン・フィル(1932年)
ライナー、シカゴ響(1957年)
クナッパーツブッシュ、ウィーン・フィル(1960年)
アーノンクール、ウィーン・フィル(2003年)
(アーノンクール盤を写真に入れ忘れました。。。)
10種全部聴きましたが、最後まで通して聴いたのは半分くらいで、あとは第2ワルツが終わって最初のワルツが戻ってくるところまで聴きました。
だから最後の部分を聴いていない盤もあります。
もちろん、入手して一回は聴いているはずですが、記憶にないものがほとんどでした。
3種あるカラヤン盤ですが、フィルハーモニア盤では冒頭のチェロをソロではなくバート・ソロ(ユニゾン)でやっていました。
これは、フィルハーモニア管で誰にチェロのソロをさせるかでもめてしまい、やむなくカラヤンが「なら、みんなでやっちまえ」と言ったから、・・・というのは私の勝手な想像で本当の理由は分かりません。
71年盤は、初めて聴いた時のとてもゴージャスな響きが印象的ですが、今回もやはりそうでした。
83年盤が3種の中では最も円熟味がありました。響きも深みと艶やかさが程よくマッチしていて中間のワルツなどいつまでも聴いていたいと思わせる美しさでした。
トスカニーニの2種は、BBCの方が角が丸くふくよかな感じで、フルトヴェングラー以上に濃厚な歌わせ方が意外でした。
NBCの方は、もしかしたらバーンスタインよりも速いかも知れません。こうやって他と比べてしまうとせっかちで味わいに欠けるように思えてしまいます。単独で聴けば、また違う印象や発見があるかも知れません。でも、中間部のカンタービレは流石(さすが)。
フルトヴェングラーは、同時期の「フィンガルの洞窟」や「ハンガリー舞曲第1番」などがまるでライヴみたいな熱気を感じさせるの比べると、やや淡々とした感じでした。
美しい演奏だと思いますが(他と比べると)録音がいかにも古く、ちょっと残念。
シュタイン盤はオケの美しさ、録音の良さが素晴らしい。ウィーン・フィルの美質を目一杯味わえます。
ライナー盤は心もち速い目テンポながら、奇跡的とも言いたいほどのニュアンスと美しさで耳を捉えてしまいます。
「ライナー=シカゴの面目躍如」と言えば、分かってくれるでしょ。
クナッパーツブッシュ盤もウィーン・フィルの美質全開ですが、他とは次元を異にする演奏を繰り広げています。
何とも言えない深い呼吸、音の立ち上がりの自然さ、力みなく美しく響く合奏・・・ライナーとは別世界ながら、これも奇跡的な演奏。
何度も繰り返し聴きたくなる魅力に満ちています。
アーノンクール盤には、ダンスの教則ビデオを見ているみたいな硬さを感じてしまいました。上手い、しかし、なんか違う・・・。
愉悦や遊びから遠いところでのアプローチだったのかも知れません。
これも、別の日に聴けば「目から鱗」かも知れません。
ということで、私が勝手に順位をつけると・・・・
一位 クナッパーツブッシュ
一位 フリッツ・ライナー
三位 カラヤン(1983年)
となります。
追記:
このあと、ケーゲル盤も棚にあったのが分かりました。
最後にひとこと・・・・こういう企画は面倒くさくて自分に向かないことがよ~く分かりました。
ウェーバーの「舞踏への勧誘」を聴いてびっくり。
これはかなりイケてる演奏でした。
ウェーバー(ベルリオーズ編曲)/舞踏への勧誘
管弦楽:ニューヨーク・フィルハーモニック
指揮:レナード・バーンスタイン
録音:1965.10.12
管弦楽:ニューヨーク・フィルハーモニック
指揮:レナード・バーンスタイン
録音:1965.10.12
この曲は「こども音楽館」に収められた石丸寛指揮の演奏で小学生の時から知っていましたが、なにしろ「紳士が女性をダンスに誘う」というシチュエーションが当時のハナタレ小僧にとってはチト恥ずかしく、聞くのも恥ずかしくて、なんとなくナイショで聴いていたようなものでした。
そのころは「エリーゼのために」とか「乙女の祈り」とかも同様で、聞いているところを見られるのが恥ずかしいって思ってたんですよ。
もちろん、今はそんなことはありませんが、積極的に「聴きたい」と思うほどでもなく、いくつかの演奏はなんとなく「ついでに」集まってきたって感じです。
さて、バーンスタイン盤ですが・・・。
導入部分の、紳士が女性に語りかけ踊りに誘う場面は「定石通り」(?)うやうやしくゆったりと丁寧に進みますが、ん?ダンスに移行する間合いがちょっと短くねぇ?と思ったのも束の間、エンジン全開急速ワルツの開始となります。
「私と踊っていただけますでしょうか?」
「えっ、私でよろしかったら、ぜひお願いいたします」
「いたします」の「す」が言い終わらないうちに、
「ほな、いこか!」
と、思いっきり手を引っ張られたみたいなフライング気味なワルツ開始(笑)。
そして、もう踊りに入ったらこっちのもの、とでも言わんばかりの、ちょっと強引っぽいけど若いエネルギーが弾けるワルツは不思議と魅力的。
中間部に入ってもテンポは落ちず、お相手の女性は、もう翻弄されされるがままのような感じてもあり、しかし、この生命力に満ちた踊りとお相手に丸ごと持っていかれているようでもあります。
やや高音がきつい録音のせいもあってギラギラしたままに最後はより華々しく、もうオシッコががまんできんって感じのせっかちさも感じさせて終演。
・・・って感じの演奏でした。
バーンスタインの曲への没入がとても感じられて気持ち良い演奏でありました。
で、ふと「舞踏への勧誘」って、いくつ持ってたっけ?
と思い、探してみました。
隅から隅までひっくり返したわけではないので、まだあるかもしれませんが、とりあえずCDは(バーンスタイン以外に)10種ありました。
以下の通りです。
カラヤン、フィルハーモニア管(1958年)
カラヤン、ベルリン・フィル(1971年)
カラヤン、ベルリン・フィル(1983年)
トスカニーニ、BBC響(1938年)
トスカニーニ、NBC響(1951年)
ホルスト・シュタイン、ウィーン・フィル(1977年)
フルトヴェングラー、ベルリン・フィル(1932年)
ライナー、シカゴ響(1957年)
クナッパーツブッシュ、ウィーン・フィル(1960年)
アーノンクール、ウィーン・フィル(2003年)
(アーノンクール盤を写真に入れ忘れました。。。)
10種全部聴きましたが、最後まで通して聴いたのは半分くらいで、あとは第2ワルツが終わって最初のワルツが戻ってくるところまで聴きました。
だから最後の部分を聴いていない盤もあります。
もちろん、入手して一回は聴いているはずですが、記憶にないものがほとんどでした。
3種あるカラヤン盤ですが、フィルハーモニア盤では冒頭のチェロをソロではなくバート・ソロ(ユニゾン)でやっていました。
これは、フィルハーモニア管で誰にチェロのソロをさせるかでもめてしまい、やむなくカラヤンが「なら、みんなでやっちまえ」と言ったから、・・・というのは私の勝手な想像で本当の理由は分かりません。
71年盤は、初めて聴いた時のとてもゴージャスな響きが印象的ですが、今回もやはりそうでした。
83年盤が3種の中では最も円熟味がありました。響きも深みと艶やかさが程よくマッチしていて中間のワルツなどいつまでも聴いていたいと思わせる美しさでした。
トスカニーニの2種は、BBCの方が角が丸くふくよかな感じで、フルトヴェングラー以上に濃厚な歌わせ方が意外でした。
NBCの方は、もしかしたらバーンスタインよりも速いかも知れません。こうやって他と比べてしまうとせっかちで味わいに欠けるように思えてしまいます。単独で聴けば、また違う印象や発見があるかも知れません。でも、中間部のカンタービレは流石(さすが)。
フルトヴェングラーは、同時期の「フィンガルの洞窟」や「ハンガリー舞曲第1番」などがまるでライヴみたいな熱気を感じさせるの比べると、やや淡々とした感じでした。
美しい演奏だと思いますが(他と比べると)録音がいかにも古く、ちょっと残念。
シュタイン盤はオケの美しさ、録音の良さが素晴らしい。ウィーン・フィルの美質を目一杯味わえます。
ライナー盤は心もち速い目テンポながら、奇跡的とも言いたいほどのニュアンスと美しさで耳を捉えてしまいます。
「ライナー=シカゴの面目躍如」と言えば、分かってくれるでしょ。
クナッパーツブッシュ盤もウィーン・フィルの美質全開ですが、他とは次元を異にする演奏を繰り広げています。
何とも言えない深い呼吸、音の立ち上がりの自然さ、力みなく美しく響く合奏・・・ライナーとは別世界ながら、これも奇跡的な演奏。
何度も繰り返し聴きたくなる魅力に満ちています。
アーノンクール盤には、ダンスの教則ビデオを見ているみたいな硬さを感じてしまいました。上手い、しかし、なんか違う・・・。
愉悦や遊びから遠いところでのアプローチだったのかも知れません。
これも、別の日に聴けば「目から鱗」かも知れません。
ということで、私が勝手に順位をつけると・・・・
一位 クナッパーツブッシュ
一位 フリッツ・ライナー
三位 カラヤン(1983年)
となります。
追記:
このあと、ケーゲル盤も棚にあったのが分かりました。
最後にひとこと・・・・こういう企画は面倒くさくて自分に向かないことがよ~く分かりました。
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