
昨日は退院後初の外来治療(ベルケイド第1クール4回目)でした。そのことや、今の時点で分かっている治療計画などについては下の方に書きました。
治療日の夜と翌日の夜までは副作用で不眠気味どなりますので、昨夜は最初に朝比奈さんのベト7(初回録音)を聴いて、日付も変わったころに次いでこの演奏(DVD)を視聴していました。
ブルックナー/交響曲第7番ホ長調
管弦楽:シカゴ交響楽団
指揮:サー・ゲオルグ・ショルティ
収録:1978年9月5日、ロイヤル・アルバート・ホール(ロンドン)
アルバート・ホールの平土間椅子を取り払ったプロムスでのライヴ。
ショルティの指揮も絶好調、シカゴ響の絶美で超絶技巧にして音楽的なテクニックも絶好調な感じの78年ライヴでした。
若者が多い聴衆が静まり返ると、この録音では十分に捉えきれていないピアニシモで曲は開始されます。
続くチェロの旋律のまろやかで美しいことにハッとさせられました。
弦の音は全体にCDで聴くときよりも潤いが感じられデリカシーも十分。画面の指揮姿とギャップを感じるほどでした。
最近は、DVDなど映像を観てても「いいなぁ」って所ではこっちは目を閉じてしまうことが多く、字幕が必要な作品は別として、なんだか音楽鑑賞での映像を特に必要としない気もしています。
ショルティの指揮は好きですが、それでも、この振り様を観ていると少なからず、出てくる音楽とのギャップを感じたり、純粋に浸れないってこともあります。
でも、ワーグナー・チューバなどが映されると「なるほど、こういうところで味を出しているのか」と分かったり、けっこう個性的な当時のシカゴ響の面々の弾きっぷりは観ていて楽しいものではありました。
別にショルティに限ったことではないのですが・・・・実際のコンサートでも目を閉じることは多いんです、私は。
まあ、そういうことで(なるべく)視覚的な影響を受けないように気を付けて聴いていましたが、78年の放送用収録ということで音声は「それなり」で、バランスとしては聴き易いものの(たぶん)ステレオじゃないだろうし、レンジも狭くて、これがもっと鮮明な音だったらどんなにかいいだろう、なんて思う瞬間は何度もありました。
けども、これはいい演奏でした。
「好きな演奏」と言った方がいいかも知れません。
終始、例によって「たいしたことをしていない」「味わいもほどほど」で美音とデリケートなニュアンスと強奏時のハンパない迫力とを織り交ぜた、たぶん聴き応えは十分なブルックナーです。
ロンドンの若い聴衆を前に、一音もたりとも手抜きなしと思える没入ぶりで奏で続けるオーケストラの姿は、観ていて本当に気持ちよかったし、そういう心持ちで鳴り響いているブルックナーの「素の」魅力に溢れていると感じました。
関係ない話ですが、この前、ある日本人指揮者の激遅ブル7を聴いて辟易していましたので、これでスッキリしました。
外来治療1回目(ベルケイド第1クール4回目)
退院後、初めての外来治療でした。
化学療法センターという、病院内の、ちょっと別空間にて暫し待ちました。
すぐに採血、検温、酸素量、血圧と、いつもセットを測定。
1時間ほど(採血の結果が出るまで)「サロン」という待合空間で過ごします。
ご年配の方ばかり6~7人ほどがすでに着席しておられました。
丸テーブルが3つほどあり、私も空いている椅子に腰かけ、ウォークマンでアバドのブランデンブルグを聴きながら待ちました。
診察室に呼ばれ、主治医先生から入院開始時からの治療の経過を聞きました。
なんという数値だったか忘れましたが、血液(骨髄?)中の腫瘍量は治療開始前の10分の一に減っており「治療の効果は認められます。続けましょう」とのことでした。
ベルケイド注射とレナデックス10錠服用を週に一度、これを4週連続1週休んで計5週間を1クールとし、これを4クール(20週間)続けます。
この日は1クール目の4回目でした。来週は休みです。
次回から月に一度、骨を強くする点滴(ゾメタ)も実施します。
その後は、自家造血幹細胞移植を経て大量化学療法へと向かうとのことでした。
帰路、市役所の福祉課障がい者係へ立ち寄り、主に二人の子たちの今後のこと、病人と障がい者ばかりになった我が家へのサポートなどについて意見を交換してきました。
1時間以上話していたでしょうか?
今後は、二人の子の、主に施設入所についての動きを(私がある程度動ける間に)加速させなければいけません。
妻は、この2週間に3度の臨時通院をしました(うち1度は救急車)。もう、私の退院を前にストレスは限界を越え、過呼吸による全身のしびれだけでなく、26日夜から27日の明け方にかけてはほとんど眠れずに泣き続け「死にたい、死にたい。楽になりたい」を連呼していました。あのときそばに私がいなかったら、たぶん・・・・・(省略)。今は落ち着いて、ある程度元気を取り戻しています。私は相変わらず自覚症状もなく、治療後の副作用(不眠、しゃっくり)以外は別状ありません。
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