静かな場所

音楽を聴きつつ自分のため家族のために「今、できることをする」日々を重ねていきたいと願っています。

朝比奈、大フィルの「英雄」交響曲(学研盤)を聴く

2013年12月26日 22時55分40秒 | ベートーヴェン
また、朝比奈盤のお話です。
変わり映えしないエントリです。
「またか」とお思いの方はどうぞご退出下さい。












ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」



管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団



指揮:朝比奈隆



録音:1973年


 本日、3週間以上に渡った二男の検査・通院がひとまず一区切りとなりました。
 危惧していたような重大な病状ではなく「経過を診ましょう」ということでとりあえず明日から、また普通の生活に戻れます。
 そのことについて今日は詳しく書きませんが、とにかくやれやれでした。
 病院からの帰り、車を運転していて、ちょっと涙が出てきました。
 何度も検査して、いろいろな可能性を聞かされていましたし、考えたくないけど「最悪のパターン」も何度も頭をよぎっていたからです。
 そんなこんなで、ボエームとかこの「英雄」とか諸々のレクィエムとか、聴く気になれず封印していました。

 今日は、先日届いた朝比奈隆の1回目のベートーヴェン交響曲全集(所謂「学研」盤)から、封印を解いた「英雄」を聴きました。

 特に蒐集してきたわけではありませんが、気が付いたら朝比奈さんの「英雄」が手元に11種もありました。
 持ってないのは例の2種のライヴを収めた2枚組だけかな?
「英雄」は、朝比奈さんのベートーヴェンの中でも、特に相性が良いというか、名演が多い印象を持っています。
 私は、あの遅い目テンポで力みを排して悠然と進む第1楽章が以前から好きでした。
 実演は1976年だったかに一度大阪で聴いていますが、残念ながら、あまりいい出来ではありませんでした。
「英雄」の実演は、ほかに、バーンスタイン、渡辺暁雄、ボッセ、金聖響などを聴いていますが、いずれもイマイチの印象しかありません。4つの楽章を通して充実した演奏にまとめるのは案外難しいのかも知れません。

 さて、この演奏ですが、特に、どこでどうというような特徴的な処理もなく、大らかに淡々と、深い呼吸で演奏しています。
 冒頭の少し尾を引くような和音、それに続く朗々とした弦の響きを聴いていると極めて心地よく、朝比奈さん独特の大きなスケール感が部屋中に充満するようです。
 その空気は終わりまで続き、この演奏を浴びるように聴いていると、長い間緊張を強いられていた今日の私の心身が次第に快癒していくようであり、同時に力強さも感じました。
 大阪フィルも、艶やかな弦をはじめ、なかなかの力演です。
 ライヴなら、もっとハチャメチャにやりまくったかも知れませんが、セッション録音ということで、かなり律義で紳士的な大フィルが聴けます。しかし、フィナーレの轟轟たるティンパニなどに、生で聴いた熱い大フィルの面影を観て(聴いて)、思わずニヤリとしてしまいました。

 この全集は、バラで買い集め、あと4番8番を残すのみとなっていましたが、これがなかなか見つからず今回のセットを思い切って買いました。5番の別録音も収められていて、これも楽しみです。








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2 コメント

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Unknown (Karl Jaspers)
2019-12-31 23:45:51
八田耕治先生のティンパニが最高ですね。
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Karl Jaspersさん (親父りゅう)
2020-01-02 20:57:29
仰る通りですね。
70年代、大フィルはたくさん聴きましたし、第9で共演もしましたが、八田さんのティンパニには惚れ惚れしました。
地元での第九の合唱で共演した時、反響版の裏側で、頭に血が上るほどの興奮と感動を与えられたことを今でも鮮明に憶えています。
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