静かな場所

音楽を聴きつつ自分のため家族のために「今、できることをする」日々を重ねていきたいと願っています。

カンマーコール伊勢 第11回演奏会

2018年05月31日 20時57分59秒 | コンサート
終わってから、そろそろ2週間になろうとしてきましたので、急ぎアップしました(汗。。。)


カンマーコール伊勢
第11回演奏会


指揮:鈴木正典


2018年5月19日(土) 14時00分開演

いせトピア(伊勢市生涯学習センター)




 今回のカンマー演奏会も、とても味わい深く楽しく聴けました。
「楽しく」と言っても、そこはカンマー。
 ユーモラスな企画をするわけでなく、笑いを引き起こすトークがあるわけでもなく、ただひたすら楽曲を真っ当に演奏するだけの3ステージであったのは、それはいつも通り。
 その律儀かつ真摯な姿勢は、会場に居てまことに心地よく清々しいものでした。

 
■第1ステージ■
「春、五月~ヨーロッパの世俗合唱曲より~


 第1ステージは、この合唱団がずっと大切にしてきているレパートリー。
 昔むかし、私が在団していた時にも歌った曲が、今回2曲入っていました。

 懐かし~~♪

 シャンソン(フランス)、マドリガル(イギリス)、マドリガーレ(イタリア)から、それぞれ3曲ずつが歌われました。
 シュッツはドイツ人ですが、「O Primavera」はイタリア留学中に作曲した作品です。




 1曲目のセルミジが鳴り出した瞬間、

「あっ、変わらないカンマー特有の響き!」

と心の中で叫びました。

 それは、例によって(会場内にぐわ~と放射されるような高カロリーの響きではなく)ステージと客席の間にゆったりと浸透する、心持ち「内に籠った」ような、しかし清潔感のある響き。
「カンマーの響き健在」と安心しました。
 この、ちょっと薄くてこじんまりとした響きは、人によっては物足りないかも知れません。
 私は、もうすっかり聴きなれていて、これを聴くのが楽しみなくらいなので、ちょうどいいです。
 逆に、ガンガン鳴り過ぎたり、テンション高過ぎたりする合唱の方が聴き疲れするので・・・。
 モンテヴェルディの「波はささやく」では、さすがに「もうちょっと厚みがあったら・・・」と思いましたが、それは仕方なし。


■第2ステージ■

混声合唱とピアノための「花に寄せて」(星野富弘作詞 新実徳英作曲)


(たぶん)初めて聴く曲でした。
 作曲者の新実徳英氏は、作曲デビューして間もない頃の「ことばあそびうた2」の初演を実際に聴いて以降、ほとんど聴いてこなかった人です。
 まあ、だいたいが最近30年ほどの合唱界、日本音楽界のことについてはほぼ何も知らずに歳月重ねてきた私ですから・・・・。
 なのですが、今回この曲を聴いて、なかなかいいなと思いました。
 ただ、ピアノ付きということで、ここはカンマーの「こじんまりさ」がやや裏目に出た、というか、ピアノにマスクされて歌詞が聴き取り難かったりする場面がいくつかあったのは残念でした。
 こういう曲では、やはりもう少し音量があればと思いました。
 なお、ピアノは団員である奥山朋美さんが受持っておられました。


■第3ステージ■

モーツァルト作曲≪Vespere solennes de confessore≫(証聖者の盛儀晩課)ハ長調k.339


 所謂「モーツァルトのヴェスペレ」。ソプラノ独唱が美しい第5曲が有名。
 なのですが、実は、私は今まであまり聴いてこなかった曲です。
 手持ちも、ずっと1種だけでしたが、このコンサートのことを知って、やっと2枚目を入手し、繰り返し聴いていたところでした。
 ここでは、カンマー「ほぼご常連」の独唱者、ピアノ奏者が加わりました。

青木美和(ソプラノ)
中西まほ(アルト)
一海靖晃(テノール)
坂本研太(バリトン)
大久友加里(ピアノ)




 独唱ではソプラノの比重が大きい曲ですが、青木さんはとても安定していて声も美しく、第5曲をはじめどの部分も安心して聴いていられました。
 出番の少ない(?)他の3人の方々もよく調和していて、合唱との対比が非常に効果的でした。
 今回の演奏は、オーケストラ・パートをピアノに編曲したものでしたが、ピアノと合唱とのバランスは第2ステージよりかなり良くなっていて、どちらの音も明確に届きました。
 ピアノの大久保さんは、演奏後に「モーツァルトは苦手・・・」と仰っていましたが、それは、モーツァルトならではの平板と紙一重な単純さや透明感、細かい音符の粒揃えなどの難しさを語ったのではないか、と私は思いましたが、なかなか神経の行き届いたタッチで合唱と調和していて、ふだんはオケ版のディスクしか聴いていない私には、このピアノ版は、また新鮮な「ヴェスペレ」でありました。


■アンコール■

「心象スケッチ」より“水汲み”(宮澤賢治作詞 高田三郎作曲)
Now is the month of Maying(時は花祭りの五月)(トマス・モーリー作曲)
 

 アンコールは懐かしい2曲でした。
「水汲み」は、1980年、この合唱団設立時に練習していた曲です。
 その後も、ステージでやったんだっけな?忘れてしまっています。
 「ぎっしり生えた茅の芽が♪」と聞こえたとたん、なんかウルウル来そうになりました。
 もう1曲のモーリーは、第1部でやった曲。
 これも以前、ステージで歌いました。

 「五月に始まり五月で終わる」コンサートでした。

 コンサート終了後、例によって指揮者とお話。
「次のプログラムは?」
「ベートーヴェンのハ長調ミサとか、やりだいけど・・・あれは難しいのでむにゃむにゃ・・・」

 さて、次は何を乗せてくるのかな?
 そもそも来年も演奏会をやってくれるのかな?
 団員は増えているのかな?

 いろいろ気になりますが、楽しみにしております。















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