CSで巨人が踏みとどまった昨日だけど、今日はどうなるか?なんてことは申し訳ないけどほとんど関心がない。けど、なんとなく観てたなぁ、試合。
ということで(?)今日は「巨人」を聴きました。
マーラー/交響曲第1番(「巨人」)
~「花の章」付き~
管弦楽:フィラデルフィア管弦楽団
指揮:ユージン・オーマンディ
録音:1969年
オーマンディのマーラー1番を今日、初めて聴いた。
同じフィラ管の1番としては、前にムーティ盤を聴いていて、あれも良かったけど、これはまた素晴らしい演奏だった。
オーケストラは相変わらず上手いし美しい。
毎度同じ事を書いているのだけど、もう、この繰り広げられるオーケストラの音を、まるで過ぎ行く車窓からの絶景を味わうかのように楽しんでいるだけでも日曜日の昼下がりはいい。
「花の章」は、実はこういう形で聴くのはあまり好きではなく、今日もちょっと退屈になった。
それ以外の4つの楽章は文句のつけようも無く、特に後半の2楽章は圧倒的。
第3楽章でのデリケートなバランス感覚の素晴らしさ。いろんなフレーズが品良く控えめながら、きちんと存在感を見せつつ過ぎていく。
終楽章では、マーラーの書いた強弱記号を「無視」までとは言わないが、「そこは、そうではなくてこうでしょう」と言っているみたいな独特の強弱の付け方が、スコア(私のは全音楽譜出版社のものです。版違いでしたらごめんなさい)を見ていると「あっ、違う。」と分かるものの、聴いている分には、まるで自然で説得力があり、速いテンポも相まって、聴いてて「その通りですな」と納得してしまう。
叙情的な部分に移行してからの思いっきり歌わせつつ疾走する妙技に息つく間もなく、次の修羅場へと連れて行かれる。
どの音符も、「色」と言うか旨味と言うか、単なる美音ではない内容のある名人芸がさらりさらりと連続して行く。
最後の盛り上がりは音だけでスタンディングを髣髴とさせる立体感が心憎い。
この終楽章は、本当に新鮮で説得力に満ちた演奏だった。
こういうのを聴くと、先日のハイティンクBPO盤などは「また聴きたい」という気持ちにさせる力は一歩二歩及ばない。
オーマンディの未聴盤が、まだまだ棚に並んでいるが、これらの一枚一枚をこれから聴いていくと思うと、なんとも贅沢な楽しみが待っているんだと思う。
丁寧に聴いていきたい。
カップリングされてる「さすらう若人のうた」は、実はあまり好きな曲ではないが、今日は勢いで全部聴いてしまい、それもけっこう良くて、今後好きになりそうな感じだった。こっちの演奏はフォン・シュターデ、A.ディヴィス指揮ロンドン・フィル。
Symphony 1: Titan | |
Philadelphia Orchestra,Ormandy | |
RCA |
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