静かな場所

音楽を聴きつつ自分のため家族のために「今、できることをする」日々を重ねていきたいと願っています。

青い鳥

2013年06月11日 20時33分33秒 | 映画、ドラマ
 前にも書きましたが、最近は家族を寝かせた後の「自由時間」(?)を、音盤鑑賞よりも録画ドラマやドキュメント、映画などを観て過ごすことが多いです。
 映像だと眠気の襲来に勝てることが多いから・・・。
 昨夜は、日曜日のドラマを見たあと、HDDに入ってた映画「青い鳥」を何気なく見始めたら、結局、最後まで観てしまいました。

 かつて、いじめによってクラスメートを自殺未遂に追いやり、今は担任が休職しているクラスに赴任した(臨時)教師を阿部寛が演じています。
 体面を重んずる校長や教頭、わが子さえよければそれでいいという身勝手な親などの姿は、やや「さもありそう」に描かれていますが、クラスや学校内の子どもたちの言動は丁寧に描かれリアリティがありました。
 教室(学校)で起こった問題(この場合は「いじめによる自殺未遂」)を経た子どもたちに「なかったことにして、新たなスタートを切る」ことなどありえないことであると語り、そうしようとする学校や生徒たちに阿部寛演ずる「吃音の教師」が「本気」で向き合っていきます。
 この孤独な闘いを支えている、いや、そうせざるを得なくさせている「何か」が、彼の過去の教師経験にはあったように暗喩的に少しだけ描かれていますが、明らかにはされていません。
 彼の「本気の言葉」に、最初は嘲笑したり反発したりしていた生徒たちが次第に自分を見つめ直し始め、今までとは違う何かが生まれそうな気配の中で、淡々と映画は終わります。
「言葉」「責任」がキーワードです。

「やられた者は絶対忘れない。だから、忘れたい方(やった方)も絶対忘れない。それが責任。」


 それから、若い女性教師(伊藤歩)と「教師の仕事」について語る場面がありましたが、あそこは圧巻でした。同じような意味の言葉を30年以上前に伊勢で講演した灰谷健次郎氏も言っていました。しかし、学校の現場で同様の価値観を持っている人がどれくらいいるのでしょうか?私の知る限り、かなりの「少数派」だと感じています。

 エンタではないけども忘れられない作品でした。



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