伊勢管弦楽団第34回定期演奏会
ドボルザーク/序曲「謝肉祭」
メンデルスゾーン/交響曲第3番イ短調「スコットランド」
チャイコフスキー/交響曲第5番ホ短調
アンコール:?
管弦楽:伊勢管弦楽団
指揮:大谷 正人
2015.05.17 14:00開演
会場 伊勢市観光文化会館
いつものように団員の岩井さんによるプレトークは井上ヒロミさんのピアノ演奏付きというもので、この贅沢なプレトークを楽しめるのもお楽しみのひとつです。
今年もアンコール曲のネタばらしがあり、「えっ、それが聴けるの!」という喜びと、出かけに妻に告げた帰りの電車の時刻は、こりゃ無理だなという微妙な感情が同時に起こりました。
さて、本番。
最初の「謝肉祭」から、もう伊勢管パワー炸裂。
曲がそんな曲だから当然と言えば当然ですが、見事に決まっていました。
いつもながら、一瞬一瞬に賭ける良きアマチュア精神の発露。
これこそが、当オケの魅力です。
特に打楽器陣のノリの良さは、会場中をこのワクワク感いっぱいの音楽の世界に瞬時に引き込んだのではないでしょうか。
その中でもシンバルさん、とりわけすばらしかったです。
お顔も含めて全身で音楽してました。
中間部を過ぎて、弦の音もどんどん整っていきました。
2曲目の「スコットランド」は、記念すべき第1回定期演奏会(1982年)のメイン曲。
当時、私も会場で聴きました。
もう演奏の細部はすっかり忘れてしまいましたが、今よりずっと人数は少なかったらしいです。
記憶の中の映像では、なんかとっても大きなオーケストラとして残っているのですが・・・。
あの時、終楽章の終結部が厳かに始まり次第に高まっていくあたりで、こっちも感極まってきて大感激したことだけははっきり覚えています。
さて、今回の再演は如何なる演奏になるのか・・・???
という(こういうのをバイアスと言うのかな?)思い入れ・先入観をさっと払拭するかのような今回の「スコットランド」でした。
冒頭の響きは大きく分厚く「野太い」と言ってもいい感じで始まりました。
全体にデリカシーよりも、絶えず前へ前へと進む推進力が強く感じられ、それをひたすらすごい形相で演奏し続ける団員の方々の表情に、33年ぶりの再演を勝手にセンチメンタルな気分で迎えていた自分の甘っちょろさを痛感させられました。
それにしても意外な演奏でした。
叙情味や感傷的な面はほどほどに、荒々しいまでの慟哭も小康状態もインテンポの中にぎゅっと収められて淡々と進みました。
第2楽章の速いパッセージも皆さんおおかたクリアして本当にすごかった。
おいしいところいっぱいの「スコットランド」ですが、部分部分で立ち止まったり愛で過ぎたりせずに禁欲的に突き進んだ結果、格調高くすっきりとした全体像が浮かび上がり、かえってメンデルスゾーンの天才的筆致の本質をあぶり出したのではないかと私は思いました。
そういう意味で(いい意味で)意外だったのです。
今日はここまで。
後半のチャイコフスキーとアンコールその他については次回に書きます。
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