
年に一度の「おらが町オケ」定期・・・・。
伊勢管弦楽団 第27回定期演奏会
ブラームス/交響曲第3番
ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲
(ピアノ:内藤祐紀子)
ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
同/ラ・ヴァルス
アンコール曲:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より「バルコニーの場」(プロコフィエフ)
管弦楽:伊勢管弦楽団
指揮:大谷正人
2008.5.18 pm.2:00~
伊勢市観光文化会館
ラフマニノフと「ラ・ヴァルス」が特によかった。
最初のブラームスは、エンジン始動直後でちょっと回転が不安定。で、無駄なアクセル踏み込みでふかし過ぎ?、かと思うと、ノッキングがあったり・・・。
ちょっと音の粒もピッチも不安定さが目立った。
音量差も平板で、中間の二つの楽章では居眠りしてしまった・・・!
休憩後のラフマニノフで、前半とは別モノみたいなしなやかで落ち着いた響きが聴こえてきた。
このオーケストラの良さ(だと自分で勝手に思っている)である、あの心のこもったトゥッティや「気」の合ったアインザッツが聴き手の心に直に訴えてくる不思議な暖かい力、それを何度も感じた。
ラヴェルを演るのは難しかったのだろうと思う。
「パヴァーヌ」は技巧的にはそうでもなかったのかも知れないが、何と言うか、あの微妙な音感覚(ニュアンス?)を醸し出すのは至難の技だと思った。
すまし顔で難所をすいすいとクリアする風情が必要な音楽だから。音も「まともに鳴っていればエエのや」ではいかんからなぁ・・・。
でも、でも、いい曲だな。生で聴ける喜びここに有り。
最後の「ラ・ヴァルス」・・・何かが起こるような予感、開始前の指揮者氏の仕草にも「この曲に賭けてるんや!」的気合いがみなぎっている(みたいに感じた)。
この曲も本当に魅力的な曲だ。実演で聴くと、本当になんとかなってしまうようなインパクト。
今日のプログラム冊子には「正直に申し上げて私たちのレベルをはるかに超えた超難曲です。しかし、私たちの演奏のレベルや幅を引き上げるためにあえてチャレンジすることが必要という音楽監督の強い意志のもと、半年間練習を重ねてきました云々」とあった。
そして演奏は・・・これはもう、超難易度高い曲芸を気合いと情熱で正面突破の強攻策で体当たりの一発勝負でチャレンジしたようなステージから炎の立ち上る如き演奏だった。
些細なキズや細かいことは、みんな燃えてしもうた。
「崩壊に向かう曲」の演奏が崩壊してしまってはシャレにならないのだが、断崖絶壁の向こう岸へ何とか綱渡りで渡り切ったスリリングな演奏。
目の前で、こういう演奏を聴かせてくれて、本当に感謝感謝の気持ちでいっぱいになった。
ブラヴォー!伊勢管!
ところで、演奏前の聴衆への「解説サービス」で登場したのはチェロのIさん。
この方は、昨年度、「りゅう」が居留地校交流でお世話になった学級のクラス担任の方であった。
あの時の授業同様、今日の語りも柔らかでユーモアがあって分かりやすかった。花マルであった。
いつものことたが、地元のコンサートのロビーは、さながらプチ同窓会。
でも、当たり前だけど、みんな歳取ったねぇ。
このオケ定演も27回目だからね。第1回定演であの感動的な「スコットランド」を聴いたのはもう26年も前なんだ!
それから、初代コンマスの我らがU先生も苦悩から立ち直られたのか、今日はとても元気なお姿を見せてくださった。
しばし歓談の後、私は皆と別れていつもの理容店に行き、髪を切って電車で帰ってきた。
イヤホンでシューベルトの6番を聴いてたら、すっかり寝てしまい、乗り過ごし寸前で飛び起きて下車したのでした。
↓
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ラフマニノフ/パガニーニの主題による狂詩曲
(ピアノ:内藤祐紀子)
ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
同/ラ・ヴァルス
アンコール曲:バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より「バルコニーの場」(プロコフィエフ)
管弦楽:伊勢管弦楽団
指揮:大谷正人
2008.5.18 pm.2:00~
伊勢市観光文化会館
ラフマニノフと「ラ・ヴァルス」が特によかった。
最初のブラームスは、エンジン始動直後でちょっと回転が不安定。で、無駄なアクセル踏み込みでふかし過ぎ?、かと思うと、ノッキングがあったり・・・。
ちょっと音の粒もピッチも不安定さが目立った。
音量差も平板で、中間の二つの楽章では居眠りしてしまった・・・!
休憩後のラフマニノフで、前半とは別モノみたいなしなやかで落ち着いた響きが聴こえてきた。
このオーケストラの良さ(だと自分で勝手に思っている)である、あの心のこもったトゥッティや「気」の合ったアインザッツが聴き手の心に直に訴えてくる不思議な暖かい力、それを何度も感じた。
ラヴェルを演るのは難しかったのだろうと思う。
「パヴァーヌ」は技巧的にはそうでもなかったのかも知れないが、何と言うか、あの微妙な音感覚(ニュアンス?)を醸し出すのは至難の技だと思った。
すまし顔で難所をすいすいとクリアする風情が必要な音楽だから。音も「まともに鳴っていればエエのや」ではいかんからなぁ・・・。
でも、でも、いい曲だな。生で聴ける喜びここに有り。
最後の「ラ・ヴァルス」・・・何かが起こるような予感、開始前の指揮者氏の仕草にも「この曲に賭けてるんや!」的気合いがみなぎっている(みたいに感じた)。
この曲も本当に魅力的な曲だ。実演で聴くと、本当になんとかなってしまうようなインパクト。
今日のプログラム冊子には「正直に申し上げて私たちのレベルをはるかに超えた超難曲です。しかし、私たちの演奏のレベルや幅を引き上げるためにあえてチャレンジすることが必要という音楽監督の強い意志のもと、半年間練習を重ねてきました云々」とあった。
そして演奏は・・・これはもう、超難易度高い曲芸を気合いと情熱で正面突破の強攻策で体当たりの一発勝負でチャレンジしたようなステージから炎の立ち上る如き演奏だった。
些細なキズや細かいことは、みんな燃えてしもうた。
「崩壊に向かう曲」の演奏が崩壊してしまってはシャレにならないのだが、断崖絶壁の向こう岸へ何とか綱渡りで渡り切ったスリリングな演奏。
目の前で、こういう演奏を聴かせてくれて、本当に感謝感謝の気持ちでいっぱいになった。
ブラヴォー!伊勢管!
ところで、演奏前の聴衆への「解説サービス」で登場したのはチェロのIさん。
この方は、昨年度、「りゅう」が居留地校交流でお世話になった学級のクラス担任の方であった。
あの時の授業同様、今日の語りも柔らかでユーモアがあって分かりやすかった。花マルであった。
いつものことたが、地元のコンサートのロビーは、さながらプチ同窓会。
でも、当たり前だけど、みんな歳取ったねぇ。
このオケ定演も27回目だからね。第1回定演であの感動的な「スコットランド」を聴いたのはもう26年も前なんだ!
それから、初代コンマスの我らがU先生も苦悩から立ち直られたのか、今日はとても元気なお姿を見せてくださった。
しばし歓談の後、私は皆と別れていつもの理容店に行き、髪を切って電車で帰ってきた。
イヤホンでシューベルトの6番を聴いてたら、すっかり寝てしまい、乗り過ごし寸前で飛び起きて下車したのでした。
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「ラ・ヴァルス」はその昔、スコアがもの凄ーく高価だった頃に借り物で中を目にし、また或る楽器のパートに興味があったのでそれを目で追っていましたが、わたくし的には、曲の現在進行個所の把握と「入り」のタイミングのむずかしさにまず恐れをなしました。他の曲にも増して各オケ・メンバーがスコア把握しつつ、また皆が格別の意識を以って同じリズム感のもとで同じ呼吸することが要求されるような、そんな気がします。そのうえで各パートとも的確に音出し・演奏して音楽を構築する(舞う・走る・爆発する等)のですからたいへんそうです。
しかし、これをプログラムにのせる決断、そして演奏してしまうというのは敬意を表すべきこと・賞賛に値することですね。自分がオケ・メンバーだったら本番まで幾度も夢の中でうなされそうです(笑) スリリングさも含めて、これはかなり嬉しいコンサートではなかったと想像します。
別記事のフリッチャイですが、LP時代(ヘリオドール。藁科氏などが解説していたような記憶が)のあとご無沙汰の期間が長くありましたが、しかし、やはり忘れられず、店頭でCDが目に入るとついつい買ってしまいます。生涯の短かかった人ですが、けっこう多くの録音(正規・ライヴ)が残っていますね。
そして、拙記事をお読み頂き感謝です。
ラヴェルのスコア、高いですねぇ。私もオケ譜は「マ・メール・ロア」組曲しか持ってません。
某さまのおっしゃる通り、これは得がたい演奏でした。勿論、プロの皆さんと比べてはいけません。でも、ひとりよがりの自己陶酔熱演でもありませんてした。出来うる限りのレヴェル・アップと指揮者と共に曲を掘り下げてきた成果が一回きりの真剣勝負に結実していました。
知り合いの団員に聞くと「いつ、コケるかとハラハラだった」とのことですが・・・。
中身の伴った実演はいいものですよね。
フリッチャイとの付き合いは、私もヘリオードル廉価盤からで、途中抜けてますし、今もそんなに頻繁には聴かないのですが、たまに聴くと、やっぱりいいです。