ビストロ レアール

石川県小松市にある「ビストロ レアール」のシェフがつづるあんなことこんなこと

マダム スカビネール

2005年08月02日 | フランスこぼれ話
ノルマンディー マノワーダスティンの
マダム スカビネール

とても 上品で
いろいろな所に気が付く方でした

マダムの足元には
必ずアキダがいて
お客様をお迎えする
レセプションにいました

夏の暑い時でも
襟が高く袖の長い服を着て
肌の露出している部分をおさえて
昔ながらの着こなしをされていました

サーヴィスの時に
厨房でシェフが
どなっているとすぐに駆けつけ
”クローーード ナントカー カントカー スィル ト プレ クロード!”

収まるのです

パトロン(経営者)の食事は
基本的に皆と同じ物を食べますが
必ず一言キュイジニエに声をかます

マダム:クリストフ ナントカー カントカー
    トレ ビアン

クリストフ:メルスィ マダム

マダム:マサ ナントカー カントカー
    トレ トレ トレ ビアン

私:メルシー マダム

と言ったところです

気を遣うという事で
とても 感激したのは
滞仏二年目の冬に
ノルマンディーを訪れた時

お客様の予約もない暇な時期に
まだ マダムと一緒の写真がないので
お願いしたところ

マダム:マサ ダンロノ マエ ガー ヨイデショー と

マダム:フランク!ナンデー ダンロノ ヒガ ツイテ イナイノー!

フランク(ギャルソン):デモ マダム キョウハー 

マダム:スグニー ツケナサイ!

フランク:ヨヤクノ オキャクサマガー ナイトキハー>>>>ツケナイデイイト、、、、

マダム:フラーンク スグニー

フランク:ウ ウ ウィ  マダム と

お客様の為にではなく
私との写真の為にだけ
暖炉に火をつけた
心遣いに

心 暖まる思いで一杯でした。

ムッシュー スカビネール

2005年08月02日 | フランスこぼれ話
ノルマンディー カン市
べヌビル
人口1800人の小さな村にある
オーベルジュレストラン

マノワーダスティン

ミシュランガイドで一つ星
そこのオーナーシェフ
ムッシュー クロード スカビネール氏

私の身長が186.5cmなのに
見劣りしていないでしょ

とても優しく寛大なシェフでした


シェフのエピソードはいろいろありますが
そのひとつに

ある日
昼のサーヴィスが終わってから
シェフとマダムの食事を
シェフみずから作っていたのですが
オマール海老を

オードヴルの調理台の
引き出しから
私の包丁を取り出し
包丁の刃に布を巻きつけて
柄の部分で
あの硬いオマールの殻を
叩き割っていました

(あっ そ そ そ それぼくの ぼくの>>>>>)と
言おうとして
やめました

シェフが
調理する姿があまりにも
一生懸命で美味しいものを
作るぞ!と感じていたからです

夜のサーヴィスの為
調理場に入り
引き出しを開けると
オマール海老と戦った
傷だらけになった
包丁が勲章のように光って見えました

またある日の昼
シェフにたのまれ

シェフ:ムニエル焼けるか?
    焦がしバターは?

私:ええ 焦がしバターはレモン汁で仕上げるソースですね!

シェフ:「マサ じゃあこの舌平目をムニエルにして
 仕上げに焦がしバターを>>>と言っているシェフの横を

書類を小脇に抱えながら
マダムが通りすぎざまに

「アヴェック スィトロン ヴェール(ライム汁で仕上げて)」と一言

シェフ:「あ マサ 焦がしバターにライム汁でなっ!」

とても寛大なシェフも
マダムの一言で
変わってしまうのは
万国共通でしょうか