みなさん、おはようございます。今日も終日晴天のようで、「第17回かごしま錦江湾サマーナイト大花火大会」も盛大に開催されそうです。九州でも屈指の1万5千発楽しみですね。
さて、薩摩川内市の散歩を始めて9箇所目は倉野の磨崖仏です。鹿児島県で磨崖仏というと、川辺の清水磨崖仏(【鹿児島散歩_066】01/16紹介)があり、一番古いものは平安時代のものがありましたが、倉野の磨崖仏は鎌倉末期に彫られたとされており、梵字17・陽刻仏像1・陰刻五輪塔3・その他仏種子などからなっています。梵字を刻むことは仏像を彫ることと同じ意味で、この梵字の中で最も注目されるのは中央月輪中に書かれているオーンクです。梵字の下に天保2年(1318年)の年号が記され、9月5日寂円房が亡親の供養とともに、村人の平安を祈願した旨が明記されていますが、このオーンク文字は、他にない珍しい文字ということで、当時、金剛界・胎蔵界両部不二の大日如来を表す文字として、密教の最高尊を表現しようとして工夫創作された貴重な文字とのことです。鎌倉末期という早い時代にここ倉野が高級深淵な仏教哲学研究が行われていて、中央に劣らない高度な文化があったことを窺い知ることができそうです。
-薩摩川内市樋脇町倉野