イエスはお答えになった。
「あなたたちは読んだことがないのか。
創造主は初めから人を男と女とにお造りになった。」
そして、こうも言われた。
「それゆえ、人は父母を離れてその妻と結ばれ、
二人は一体となる。
だから、二人はもはや別々ではなく、一体である。
従って、神が結び合わせてくださったものを、
人は離してはならない。」
「マタイによる福音書」 / 19章 5-6節
新約聖書 新共同訳
愛はまず家庭から始まるのです。
愛は家庭に住まうものです。
こどもたちは
家庭のなかに愛やほほえみを
見つけることができません。
こどもたちはさびしすぎるのです。
さびしさをまぎらわすために
外へ
さがし求めにゆくのです。
マザーテレサ
(マザーテレサ『愛のことば』より)
★離婚や失業後に訪れるアイデンティティー危機、
いかに克服するか - WSJ.com
◆ウォールストリートジャーナル日本語版 2013年7月31日
仕事にしろガールフレンドにしろ、失った時には、そうたたないうちに誰かがあなたに立ち直るようにと言うだろう。すべては時間が解決する。
だが、どれほどの時間が必要か。
専門家は、たいていの人々には別れや失業といった精神的苦痛から立ち直るには少なくとも2年の時間が必要だろうと指摘する。配偶者が突然去ったり、予想外に解雇されたりといった予期せぬ出来事の場合、より長い時間がかかる可能性もある。
離婚の克服には2つの重複するプロセスが含まれる。悲しみからの回復と人生の再構築だ。
シカゴの精神科医で、米国精神分析協会の元会長、プルーデンス・グルゲチョン氏は、この期間はたいていの人々が予想するよりも長いと指摘する。感情的な崩壊がだいたいどのくらい持続するかを知ることが重要だ。同氏は、長いプロセスではあるが、いったんその衝撃を乗り越えればリラックスできるとし、「しっかりするべきだとのプレッシャーを感じる必要はない。そういう状態ではないのだから」と語る。
一部の専門家はこの回復期間を「アイデンティティー危機のプロセス」と呼ぶ。こうした専門家は、この間、落ち込んだり、心配したり、気が散ったりする、いわゆる感情的な混乱は全く正常だと説明する。(専門家たちは、愛する人の死を乗り越えるのはもっと複雑で、通常、2年より長い時間がかかるとの見方を示している)
一部の人々は離婚から立ち直るのに2年は必要ないと分かるかもしれない。しかし、専門家は、例えば、心機一転するために、直ちに遠くに引っ越したり、新しい関係を築き始めたりすることによって、このプロセスを無視したり、急いだり、否定したりすることは恩恵がないと警告する。それはおそらく、審判の時を先送りするだけだ。
精神的苦痛によって混乱し得るすべてのことを考え直すには時間がかかる。近道などない。グルゲチョン氏は「あなたの人生のすべてが再評価され、紡ぎ直される必要がある」と指摘する。
マイケル・ハサードさん(42)は4年前、結婚してほぼ8年になる妻と離婚し、アラバマ州マスルショールズのバプテスト派教会の「離婚ケア」のクラスに参加し始めた。最初のミーティングで、インストラクターは精神的な動揺を乗り越えるのに2年かかるだろうと話した。
化学プラントの設計・建設を手掛ける企業のエンジニアであるハサードさんは「そう聞くと、実際、安心した。目指すべき目標が見つかった」と話す。
息子と娘の養育権を与えられたハサードさんは、落ち込み、怒りを覚え、怒りっぽくなり、突然、一人で子供を育てる親になり困惑を感じていた。ハサードさんはある夜、クラスに出ていて、自身の立ち直りを軍隊の新兵訓練プログラムの障害物競走でよじ登らなければならない壁として見始めた。難しいことが予想された。避けて通る方法はなかった。しかし、乗り越えた壁の向こう側では状況はもっといいだろう。
家に帰り、「2年」というタイトルのメモ書きを冷蔵庫に貼った。それには、「私は正常に戻る、それを正しく行う」と書かれていた。
離婚や失業から立ち直ることには実際、2つの重複するプロセスが含まれる。悲しみからの回復がある。そして、人生構造を立て直すというさらに時間のかかるプロセスがある。どこで夕食をとるのか。誰と友人になるのか。グルゲチョン氏は、結婚していれば、配偶者を嫌っていても、「いつやってくるとか、いつ帰宅するかは分かっている」と語る。
自分から離婚を切り出した場合など、失うことが見えていれば、不意を突かれた人よりも先のプロセスを進める。インディアナポリスのインディアナ大学・パデュー大学のコミュニケーション学部の教授、サンドラ・ペトロニオ氏は、不意を突かれる人は「もっとずっと多くの熟考が必要だ。自分に何が起こったかについてある種の分析をする必要がある」と指摘する。
このプロセスを乗り切るには、どうしようもないように感じるとしても、自分が間違っているわけではないことを受け入れるべきだ。この期間は終了すると自分に言い聞かせることだ。友人や家族に、しばらくの間、通常の自分自身ではないかもしれないが、引き続き彼らの支援が必要で、自分もいずれは回復すると伝えることだ。
できれば、新しい都市に引っ越すなど、大きな変化を体験すべきではない。心理療法が役に立つだろうし、このプロセスを1人で乗り切る必要はない。新しい関係の構築については、忘れた方が賢明だ。
ハサードさんは自分の2年間の「離婚からの立ち直りプロセス」と呼ぶ期間中、冷蔵庫に貼ったメモを約3カ月おきに修正し、進捗や目的を更新した。さらに、「自尊心」や「自分の怒りと向き合う」、「良い親である」、「許すこと」、「先に進む」といった異なる分野に焦点を絞った。
その後、ユタ州センタービルに引っ越したハサードさんは、「目標を書き換えなければ、目につかないようになり始める」と指摘する。
時々、ベッドのどちら側に眠るとか、いい1日の終わりに誰に電話をかけるかといった小さな判断につまずいた。日記を付け、最も悲痛な日記は裏庭のバーベキューグリルで燃やした。時々は車で1人で通勤中に泣いたり叫んだりし、窓を下ろしコンバーティブルの屋根を開けて「すべて背後に吹き飛ばした」。デートを始めるのは、「悪いことを避けようとするのではなく、いいことを探す」ことだと気付くまで、1年以上を要した。
2年が経過したある夜、ハサードさんはお祝いをした。子供たちはパジャマ・パーティーをしていたが、自分自身に好物の料理を作り、ワインを1本開けた。
裏のベランダから夕日を眺めながら、自身の進歩について評価し、自問した。「終わったか」と。答えは「イエス」だったという。
ハサードさんは「最終ゴールは、自分が現実にするまで、比喩にすぎない」と話す。「そして私はそこにたどり着いた」と。
▲James Gulliver Hancock
◆シラ書〔集会の書〕 / 8章 19節
相手構わず、人に心を打ち明けるな。
また、相手構わず、人から恩を受けるな。