あなたがたに新しい掟を与える。
互いに愛し合いなさい。
わたしがあなたがたを愛したように、
あなたがたも互いに愛し合いなさい。
「ヨハネによる福音書」 / 13章 34節
新約聖書 新共同訳
もしあなた方が自分を傷つけるならば
それは自分だけを傷つけているのではなく
両親の愛の実を傷つけているのであり
神様の愛の現われを傷つけてているのです。
あなたが傷つけば、
両親も、
また神様も、
苦痛を感じるのです。
あなたの存在のかげには
いつも神様がいることを
忘れてはいけません。
★実力は暴力団以上か「半グレ」の恐るべき素顔 警視庁発
◆日本経済新聞 2013年7月9日 6:30
明確な組織や活動拠点を持たないという点で、既存の暴力団より取り締まりが難しいとされるのが「半グレ」だ。「半分グレている」から半グレ。暴走族「関東連合」（解散）ＯＢグループなどがその例で、ところかまわぬ暴力行為などにより、新たな社会的脅威として浮上してきた。警察庁は今春、半グレを「準暴力団」と位置付け、警視庁などがメンバー構成や資金源の実態把握を進めている。
■「半分」どころではない凶悪さ
▲「半グレ」とみられる集団による暴行事件があった現場（2012年９月２日、東京・六本木）
半グレは「完全にグレている」暴力団と一般市民との中間にある存在として、「愚連隊」のような意味合いもこめて、警察内部などで使われてきた。主に暴走族ＯＢらが成人し、東京・六本木など都市部の繁華街に進出したグループを指す。
半グレとはいいながら、いったん暴力行為に及べば「半分」の語感とは程遠い凶悪さを見せる。昨年９月には六本木の有名クラブ店「フラワー」になだれ込んできた男たちに男性客が金属バットで頭などをなぐられて死亡する事件が起き、関東連合ＯＢらが逮捕、起訴された。男性は対立するグループ幹部との人違いで襲われたとみられる。
歌舞伎俳優の市川海老蔵さんが関東連合関係者に暴行を受けた事件（2010年11月）以来、半グレを注視していた警察は、無関係の市民が犠牲になったフラワー事件で危機感を一層強めた。
警察庁は３月、半グレを準暴力団と位置付け、「明確な組織性はないが集団的・常習的に暴力行為などを行うもの」と定義。関東連合ＯＢらや、中国残留孤児２、３世を中心とした「怒羅権（ドラゴン）」などを積極的に取り締まるよう全国警察に指示した。
半グレの特徴は、既存の暴力団のようなピラミッド型の組織や事務所を持たない点だ。
現在50人以上いるとされる関東連合ＯＢらは飲食業、不動産業、芸能プロダクション、風俗業、アダルトビデオ制作など多分野に進出。それぞれ「正業」を持ちながら、学年ごとのリーダー（総長）を中心とした縦横の関係を維持している。暴走族時代から続く「同窓会的な強い結束」（捜査関係者）の下、他のグループとの抗争や暴力事件を繰り返してきた。
「関東連合は組織でなく仲間」。1981年世代のリーダーで、海老蔵さん事件の現場にも同席していた石元太一被告（31）＝傷害致死罪などで起訴＝は著書でそう強調している。「緊急事態が発生したときは業界の壁を乗り越えてひとつの大きなアメーバへと姿を変える」。同被告らの招集に応じて十数人が現場に集結したフラワー事件はその典型だった。
若者の世代論に詳しいサントリー文化財団上席研究フェローの佐藤友美子さんは、関東連合ＯＢらについて「中高生時代に携帯電話が普及した影響で、仲間内の論理や同質性を優先する傾向がある世代」と説明。「暴力団が組織や規律で様々な構成員の秩序を保つのに対し、半グレはあくまでも内輪の仲間意識でつながっているのではないか」と指摘する。
■がんじがらめの暴力団を尻目に台頭
半グレ台頭を支えるのが、暴力団の「しのぎ」と似た合法・違法な経済活動による資金力だ。
捜査関係者らによると、関東連合ＯＢらは正業で成功した者から資金を徴収している可能性があるほか、半グレのメンバーが振り込め詐欺やヤミ金融を主導する事件も目立つ。石元被告らが起訴された振り込め詐欺事件ではダミー会社への１億円以上の入金が確認されたという。
改正暴力団対策法や暴力団排除条例で暴力団への規制が強まった。関東連合関係者の１人は「ヤクザが身動きを取れないなか、法の網に掛からない半グレが資金源を確立して一気に勢力を拡大した」とする。
一部メンバーが現役組員となって暴力団を後ろ盾とするなど半グレの動向には未解明な点も多い。フラワー事件では石元被告らが摘発されたが、後輩や新たなグループの台頭を懸念する捜査関係者の意見も根強い。警視庁幹部は「準暴力団に呼び名を変えただけと言われないよう、情報収集と摘発を進める」と話している。
(http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXBZO56998230V00C13A7I00000/)
▲『長恨歌』馳星周
★六本木襲撃、凶器持って集まった６人に有罪判決
◆読売新聞 2013年8月9日 20時23分配信
東京・六本木のクラブで昨年９月、客の男性（当時３１歳）が襲撃されて死亡した事件で、凶器準備集合罪に問われた無職金城勇志被告（３１）ら２０～３２歳の男６人に対し、東京地裁は９日、いずれも懲役１年６月、執行猶予４年（求刑・懲役１年６月）の判決を言い渡した。
鬼沢友直裁判長は、集団で常習的に暴力行為を繰り返す「準暴力団」関係者の犯行とした上で、「組織性や計画性も高く、被害者が死亡した結果も無視できない」と指摘した。
判決によると、６人は昨年９月２日未明、店舗内にいた被害男性を暴走族グループ「関東連合」ＯＢの見立真一容疑者（３４）（国際手配中）らと対立する人物と誤信し、襲撃するため金属バットなどを持って店舗付近に集まった。この６人とは別に、襲撃に加担した同連合の元メンバーら９人が傷害致死罪などで起訴されており、裁判員裁判が開かれる予定。
▲『大地の子』 山崎豊子
★＜中国残留孤児＞高齢者、生活苦しく墓建たぬ
◆毎日新聞 2013年8月17日 12時33分配信
日本に永住帰国した中国残留孤児。高齢化が進むが、墓を個人で用意できない状況がある。帰国したものの、日本語を話せないため、定職に就けずに公的な支援で生活しているケースが多い。自力で墓を建てるのは難しく、共同墓地の設置を求める声も上がる。戦争の惨禍をくぐり抜け、戦後６８年たった今も、安らぎを得られない孤児たち。支援者らは「思い焦がれた祖国で永眠できる場所を与えてあげたい」と訴える。
中国残留孤児らを支援する「中国帰国者支援・交流センター」によると、共同墓地は少なくとも全国７都県１０カ所にある。支援グループが寄付金を募るなどして土地を購入したり、自治体が墓地の一定区画を貸したりすることもある。
仙台市は市営墓地に約５０人が埋葬できる残留孤児や家族のための区画を設けたり、甲府市では山梨県日中平和友好会が共同墓地を運営し、約２０人の遺骨を納めたりしているが、こうした対応は少ない。遺骨を日本で埋葬できずに「駄目なら中国で埋葬するしかない」と語る孤児の家族もいる。
神戸市で暮らしていた孤児の粟田奉彦（ともひこ）さんは今年４月、７０歳で亡くなった。妻の李栄華さん（６６）は無職で、経済的な理由から夫の墓を建てられずにいる。「神戸で何とか埋葬してあげたい」と言うが、無理なら中国の自分の親族の墓に埋葬することも考えている。
夫は２歳で終戦を迎え、旧満州（現中国東北部）の奉天（現遼寧省瀋陽市）に赤ん坊の妹と２人で取り残された。両親は既に亡くなっていたらしい。夫と妹は別々の中国人養父母に引き取られ、妹は子供の頃に亡くなった。
李さんは夫と１９６７年４月に結婚し、建設会社で働いた。文化大革命に巻き込まれ、６８年ごろには日本人だという理由だけで殴られた。その頃、息子２人が生まれた。「息子たちが今後、同じ目に遭わないとも限らない」。そんな思いから８６年の訪日調査に参加し、９４年８月に夫婦で帰国。その後、息子２人を呼び寄せた。
夫も李さんも日本語が全く話せず、就職はできなかった。夫が亡くなった今、李さんは知的障害がある長男（４５）と暮らす。夫の遺骨をどうするかは、別居している次男（４２）と話し合っている。
神戸市では孤児２世が中心となり、行政に共同墓地の設置を働きかけようという動きが出ている。日本中国友好協会兵庫県連合会の上田雅美事務局長は「多くの孤児は公的な支援で月１５万円ほどで暮らしており、墓を建てるのは資金面から困難だ。孤児２世にも言葉の壁があり、大半が収入が少ない仕事にしか就けていない」と指摘。「墓を用意できない多くの人たちに、行政の力も借りて、祖国で安眠できる場所を与えてやりたい」と語る。【岡村崇】
【ことば】中国残留孤児
第二次大戦の終戦時、旧満州で肉親と離別して孤児となった日本人。国は１９８１年に訪日調査を開始。２０００年以降は孤児らの高齢化などに配慮し、日中共同の調査をして、肉親情報がなくても永住帰国できるようになった。孤児らの多くは生活保護を受けていたが、国は０８年度から生活支援給付金を支給し、老齢基礎年金との併給も認めた。日中国交正常化以降、永住帰国した残留孤児・婦人は６６９９人（６月末現在）。