✴︎美保神社(恵比寿様の総本社)レポート(2023年5月22日訪問)✴︎
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出雲國神仏霊場第八番:美保神社(みほじんじゃ)
「神と海と人を結ぶ、聖なる岬、美保関」
松江観光協会公式サイトの紹介の通り、まさに神と海を結ぶ場所。
出雲神話の舞台であった古代からずっと栄えてきた
美保関に鎮座する聖なる神社なのです。
美保神社の御祭神は
三穂津姫命(みほつひめのみこと)
事代主命(ことしろぬしのみこと)
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事代主命は恵比寿様とも呼ばれていて、商売繁盛の神様でもあります。
あの、釣り竿を持っている七福神の神様です。
美保神社は、そんな恵比寿神社の総本山でもあります。
この事代主命は大国主の息子です。
(諸説ありますが、古事記的にはそう書いてあります)
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では、事代主命と一緒に祀られているこの三穂津姫は誰でしょうか。
「高天原の高皇産霊命の御姫神で、大国主神の御后神」で、大国主の后のひとりです。
事代主は、別の后が生んだ大国主の子どもです。
大国主の子どもと、その母親ではない別の后が一緒に祀られていることに不思議な感じがしませんか?
石田壱成が、自分の実の母ではなく、父親の石田純一の二番目の奥さんである松原千秋さんと祀られている、みたいなものです。
(例え話がちょっと微妙ですが笑)
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神社の由緒には、「美保という地名はこの神の御名に縁があると伝えられています」とあります。
どうやら、ミホという名の女神なのに、由来ではないようです。
【美穂津姫命とは?】
出雲はいい国だから譲ってね♪でおなじみ「国譲り」のあとに、出雲とヤマトがこれからちゃんと仲良くする証として、大国主(出雲の王)さんは、ヤマト側の大切な姫と結婚してちょうだいね。と言われて、大国主命が結婚したお姫様。
その方が祀られているのです。
大国主の正妻セオリツヒメではなく、位の高いの方なので、長男である事代主と一緒に祀られました、と言われたら、そうなんだって思いますよね。
ところがです!
美保神社は、本殿がちょっと変わっているのです。
事代主と三穂津姫を祀る本殿が実はそれぞれ別の社として建っています。
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屋根がふたつありますよね。
問題は、その二つの本殿に挟まれた場所に「大后社」という末社です。
この社に祀られているのは、
その1
事代主のお母さんのお后である神屋楯比売命
その2
「御穂須須美命(ミホススミノミコト)」のお母さんである沼河比売命
なのです。
唐突に出てきたミホススミってどなたですか?となりますよね。
どこにも登場していない、ミホツヒメに名前が似ているミホススミのお母さんが、重要な場所に唐突に祀られているのです。
さらにこんな歴史書が残っています。
「出雲風土記」の島根郡美保郷の条より
(出雲風土記という書物の、美保村のことを書いてある章)
「天の下造らしし大神命、高志(こし)の国に座す神、オキツクシイ命の子、ヘツクシイ命の子、ヌナカワヒメ命に娶ひて産みましし神、ミホススミ(御穂須々美)命、是の神坐す。故、美保と云ふ」
意訳は、
大国主が越の国(今の石川県あたりなど)の沼河比売命と結婚して生まれたミホススミがこの地にいたので、この地の名前を美保にしたよ
つまり、ミホススミという女神がここに住んでいたから、このあたりは美保と呼ばれるようになったと書かれているのです。
実は、いろんなブログ(パワースポット紹介しているフォロワーさんがめっちゃ多い方も含まれる)などで、
「美保神社主祭神の三穂津姫が美保という地名の由来」ときっぱり書いている方、まあまあいました。
ミホツヒメが由来じゃないですから。
神社の由緒にも「縁がある」となっているのですから、正しい情報を伝えてほしいと思いました。
ちなみに三穂津姫という名前の意味は、美保「の」姫です。
「つ」は、古い言葉で私たちが今使っている「の」と同義でなのです。
美保にいるお姫様という呼称が、ミホツヒメなので、美保と言う名前に「縁」は確かにありますよね。
もともとこちらの神社にはミホツツミが一柱のみ祀られていたと、古い記録に残っていたのに、いつの間にか、ミホツツミとは異母兄妹になる事代主と、この兄妹とは血の繋がりのない女神ミホツヒメがあとから鎮座された。
肝心のミホツツミは、山の上の小さな、でも立派で、もともとストーンサークルがあった場所に移され、今でも大切に祀られています。
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でもね、三穂津姫に恨みがあるとか、そんなことはないのです。
むしろもとは敵国だった場所に嫁いだのですから、大変だったろうなあとか、庶民目線で思ったりします。
とても美しいエネルギーだったし、きっと素敵な女神なのだとおもいます。
ただ、シンプルに、かつてミホススミがもともとこの地で大切に祀られていたことを、たくさんの人に知ってもらいたいだけなのです。
と長くなりましたが、歴史があり美しくすばらしい神社でした。
何より、もともととても栄えた大きな港だった頃の面影があちこちに残っていて、ノスタルジックなきもちにさせてくれます。
それは、故郷小樽にも近いものがあって、とても好きになってしまいました。
【境内の紹介】
本殿の右後ろにある若宮社
御祭神:天日方奇日方命
合祀 今宮社(政清霊)
合祀 秘社(神号不詳)
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拝殿の右側にあります。
末社宮御前社
御祭神:埴安姫命
御霊石
合祀 宮荒神社
御祭神:奥津比売命、土之御祖神、奥津彦神
合祀 船霊社
御祭神:天鳥船神
合祀 稲荷社
合祀 稲荷社
御祭神:倉稲魂神
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大后社
(二棟並んだ本殿の中央にある)
御祭神:
神屋楯比売命(事代主の母神)
沼河比売命(ミホススミの母神)
合祀
合祀
姫子社
御祭神:媛蹈鞴五十鈴媛命、五十鈴依媛命
合祀
合祀
神使社
御祭神:稲脊脛命
【境外摂社・末社】
沖之御前
御祭神:事代主命、活玉依媛命
地之御前
御祭神:事代主命、活玉依媛命
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沖之御前・地之御前
客人社
御祭神:大國主命
合祀
合祀
幸魂社
御祭神:大物主命
天王社
天王社
御祭神:三穂津姫命
地主社
地主社
御祭神:事代主命或いは御穂須須美命
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この坂の上に見えているのが地主社
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地主社
久具谷社
御祭神:國津荒魂神、多邇具久命
客社
客社
御祭神:建御名方神
合祀
合祀
切木社
御祭神:久久能智神
合祀
合祀
幸神社
御祭神:猨田彦神
糺社
糺社
御祭神:久延毘古命
筑紫社
筑紫社
御祭神:市杵嶋姫命、田心姫命、湍津姫命
和田津見社
和田津見社
御祭神:大綿津見神、豊玉彦命、豊玉姫命
天神社
天神社
御祭神:少彦名命
市恵美須社
市恵美須社
御祭神:事代主命
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市恵美須社(青石畳通りにある)
浜恵美須社
御祭神:事代主命
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浜恵美須社(青石畳通り入口手前にある)
【美保神社】
御祭神:
三穂津姫命
事代主神
神紋:一重亀甲に「三」の文字
(美保は三保とも書くためと考えられる)
事代主神の神紋:三巴
事代主神の神紋:三巴
三穗津姫命の神紋:渦雲
創建:不詳
例祭日:4月7日
例祭日:4月7日
住所:島根県松江市八雲町熊野2451番
アクセス:
アクセス:
JR西日本山陰本線松江駅4番乗り場から、
一畑バス八雲車庫行きで23分
八雲車庫バス停で八雲コミュニティバス(熊野行き)に乗り換え16分
熊野大社前バス停下車
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~パワースポットで感じたエネルギーを短編小説にしました~
~北海道の記事と写真担当しました(*^_^*)~
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