尊敬する友人で
フルーティストの久保考世さんが、ファーストアルバム『BIRTH』を発売されました。
早速聴いているのですが、素敵過ぎて泣けます。
実はもうリピートすること6回目。
どの曲もキラキラで愛情の込もった温かい音。
選曲もとても久保さんらしくて。
きっと言葉にならない自分の中にあるたくさんの思いと共に、ポジティブな願いが込められてる気がします。
以下、久保さんの許可を得て、CD発売に寄せて書かれた文章を掲載します。
~ファーストアルバム「BIRTH」発売に寄せて~
このCDは、2015年4月に録音しました。
この時、私のお腹にはもうすぐ臨月を迎えるいのちが宿っておりました。
この子には妊娠初期から重い病気があることが分かっていました。
お腹の中で亡くなるかもしれない、もし産まれて来れても7日が山になるかもしれない…
全てを覚悟し、ただ「会いたい」その一念で過ごしていました。
そんな中で私を支えてくれたものが家族であり、そして子供の頃から常に傍にあったフルートでした。
音楽を奏でると心が穏やかになり、またお腹の子供と密やかな会話をしているような温かい気持ちになりました。
今しか出来ない、この演奏を録っておきたい。
もし、この子が息をして産まれてくることができたら、病院で過ごすであろう短い時間、この演奏を子守唄に過ごしたい。
そんな思いで、レコーディングをしました。
公私共に仲の良い、素晴らしい技術を持つ頼もしいアーティストたちが共演してくれました。
そして想いを共に過ごした主人が、作品の編曲を手掛けてくれました。
こんな経緯から制作したCDではありますが、明るい、爽やかな小品集として皆様に聴いていただける、私のフルート奏者としての1作品になればと思います。それが何よりの天国の息子への感謝であり、これから私が音楽家として社会に生きる意味を持つものになると考えています。
この収益は、息子の幸せを第一に考え、見守って下さった、神奈川県立こども医療センター・新生児集中治療室へ寄付をさせていただきます。
どうぞお手に取っていただけますと幸いです。
久保考世
子どもを育てていると、生と死が常に隣り合わせなことを感じます。
お腹の中にいる時も母親は命懸けだし、順調に育っていてもやはり細心の注意を払っていました。
帝王切開になってしまったけれど、無事に生まれた瞬間は喜びより何より、ホッとしたことを覚えています。
今は毎日飛び跳ねるように遊んでいる輝かしい生命力を持った我が子も、全身麻酔による手術をしたあの時は心配で胸が張り裂けるような日々でした。
風邪かと思っていたらあっという間に信じられないような高熱になったり、夜中に呼吸が危ういほど咳き込んで救急車を呼ぶか迷うほどのこともあったし、
小さな身体で、もし耐えられなかったら、
もし乗り越えられなかったら、
もし私が容態の変化を見過ごしてしまったら、
もしあとちょっとタイミングが悪かったら、
そんな理由であっという間に死んでしまう。
だから他人事とは思えなくて。
久保さんの気持ちを想像すると本当に苦しくて。
でも久保さんは本当にポジティブで、全てを受け入れる強さと包み込むような温かさをあわせ持った、素晴らしい方。
このCDも本当に爽やかで明るい希望に満ちています。
ぜひ一人でも多くの方に聞いていただきたい。
微かながらも力になれたらという思いと、
音楽家として、一人の母として、こんな素敵な作品を生み出せた久保さんに、心からのお祝いと尊敬を込めて、ここに書かせていただきました。
ご購入はこちらの久保さんの
オフィシャルサイトのフォームからぜひ