昨年は忙しさを理由に申し込みを怠ってしまい、乳癌・子宮癌検診を受けられなかった。
40を過ぎたので大腸癌の検診も無料で受けられる年だったのに、それも逃してしまった。
父も、父方の祖母も、父方の叔父も大腸癌が原因で亡くなったので、30歳を越えた辺りから妊娠中から授乳が終わるまでの期間以外、なるべく毎年検診を受けるようにしていたから、行けなかったことが気に掛かっていた。
坊っちゃんが幼稚園に行くようになって少し心と時間に余裕ができて、午前中に病院に行くことも可能になったこともあって、このところようやく自分の身体に目を向けられるようになった。
そんなところへ、この1週間ほど食事の際、飲み込む時に胃の上部に違和感を感じて…。
飲み込みにくいというか、狭さを感じると言うか。
そしたら昨日辺り、食べていない時も頻繁にキューっとした痛みを感じて、いよいよ心配になり、途端に究極的な結末までもが思い浮かぶ…
もし腫瘍だったら、もし悪性だったら、もし治療しても治らなかったら…手遅れだったら…
私がいないと生きていけないような我が家の男子2人を遺してはまだまだ死ねない!みたいな
思い立った時に、行こうかと迷った時に、ちゃんと病院に行っておこうと思って、今朝は坊っちゃんの園バスを見送ってすぐに地元の病院に行って来ました。
今日の今日ですぐ胃カメラとはならないと思ったけど、念のため朝食は食べずに。
夫も母も掛かったことがある内視鏡が上手で評判の医院で、診療時間を検索しようとネットで調べた時に出て来た先生のブログがやけにマニアックで細かくて面白くて、どんな先生なのかとちょっと楽しみにしていた。
そしたら案の定…つまりはとても穏やかでいい先生だった。
まずは医院に入ると張り紙や注意書きがやたら多いことに驚く。
ちゃんと読んでみると、
「咳や嘔吐がある方は、中に入る前にインターホンで看護婦を呼んでください。申告されないで中に入るとウィルスを撒き散らすことになり、それは周りに大変危険が及ぶ行為です」とか、
「診察時間は以下の通りです。留守番電話では自宅(二宮)の番号も知らせていますが、私は夜11時から朝7時半までは寝ています。緊急でない限りはこの時間には電話をしないようにご理解お願いします」とか
気持ちはわかるし、実際大変だろうな、開業医って。
予約していなかったので覚悟していた通り小1時間くらいは待たされ、ようやく呼ばれた。
先生はとても小さい声だったけれど、不思議と聞き取りにくくはない。
ゆっくりと、論理的に、原因と結果、対処法を丁寧に教えてくれる診察だった。
おくすり手帳で直近で掛かった整形外科でバンテリンゲルを処方されているのを見て、どうしたの?と言われたので「ヘバーデン結節で…」と指を見せたら、「へベルデン結節を正しくヘバーデン結節と言うなんて、あなた只者じゃないね」と言われた
父もそうだったということと、症状をネットで調べただけです。と言ったけれど。
問診では症状以外にも近親者の病歴(主に癌の)や自分自身の体質、ここ数年の生活スタイル、性格、職業なども細かく雑談してるかのように話した。
「旦那さんの体型は?お子さんは何歳?」と聞かれたので、
「夫は痩せ型です。子どもは4歳です」と言うと、
「あーそう…ご主人はあまり食べてくれないのね〜。あなたにカロリーが行っちゃうんだねー」と言われる
「あんまりイライラなんてしないでしょ?」と言われたので、
「いえ、とってもイライラしやすいです。性格的にも…
」と言うと、
「そうなんだ、イライラしちゃうんだ〜。目をつぶって声だけ聞いてると、痩せてて穏やかな人かと思うけれど」と言われて笑ってしまった
風邪を引いて鼻水と痰が酷くてしばらくの間強く咳き込む日が続いたことを話すと、
「診断としては逆流性食道炎だと思います。強く咳き込むと腹圧が上がり、胃酸が弁の所まで逆流しやすい。それで荒れて炎症を起こしたところにタコのような物が出来た可能性があります」
「痛みや飲み込みにくさを感じて悪性腫瘍じゃないかと心配されたと思うが、ここに腫瘍が出来ることはかなり稀なので、一応検査はした方がいいけれども99%逆流性食道炎だと思うから、無駄な心配はしなくていいんじゃないかしら」
と、淡々と話された。
「リバウンドを防ぐにはね、1週間に一度はしっかり食べていい日を作ること。それからダイエットして食べる量を減らすと栄養素も減ってしまうから、ビタミンBだけは摂るようにした方がいい」とか、
「ヘバーデン結節は治す方法がないんだけれど、毎朝40℃くらいのお湯に5分くらい指を浸すと、少し楽に動けるかもしれない」とか、
「喉が弱いならハチミツは常備しておいてね。調子が悪いなと思ったら小さじ2杯くらい飲むといいです」とか、
消化器科の先生なのに色々なことを教えてくれた。
極めつけは、
「今ボクはあんまりやってないんだけど、あなたは家族に大腸癌の罹患者が多いから、大腸の下部内視鏡も50歳までには受けてね〜」とおっしゃるので、
「はい、やりたいと思ってます。どんな場合だと先生にやっていただけるんですか?」と聞いたら、
「今そこで下血している人と、明らかに悪性腫瘍があると思われる人、ボクが下部内視鏡を勧めた時に躊躇なくハイと言った人。やる気のない人に勧めてやった方がいいですよと説得してるほど暇じゃないからね〜」とおっしゃるので、
笑いを堪えつつ「私は診ていただけそうですか?」と聞くと
「たぶん大丈夫〜」と言ってくださった
最後に「他に何か心配なことはある?」と聞かれたので、
「カルテの名前の字が違うんですけれど大丈夫ですか?」と言ったら、
「大丈夫じゃない。やっぱりあなた、只者じゃないね」と笑われた。
たぶん相性もあるんだと思うけれど、とてもいい先生に出会えたことが嬉しかった。
無駄な不安も取り払ってくださり、実践できそうなコツも教えてもらい、本当に感謝だ。
ついでに書き加えると、血液検査のための採血をしてくれた看護婦さんもとても上手で、一発で血管を探し当て、針を刺す時も全く痛みを感じなかった。
行こうと思い立った時に行って、本当に良かった
…と言う訳で、人生初の胃カメラは来週の金曜日になった。
そのレポートはまた後日。