徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

東京オリンピック

2008年07月01日 | ★★★★★



東京オリンピック
おすすめ度
Tokyo Olympiad
製作:1965年 日本
製作:田口助太郎
監督:市川崑
脚本:市川崑 和田夏十 白坂依志夫 谷川俊太郎

平和の祭典オリンピック。今年はオリンピックイヤーでございます。来月には北京で華やかに開催される事でしょう。という訳で今日は1964年に初めて日本で開催されたオリンピックの記録映画「東京オリンピック」です。市川崑が総監督を務めています。

ちなみに私が観たのはディレクターズカット版。オリジナルは約3時間(170分)に及ぶかなりの長尺。「記録映画」としての定義で、必ず1種目あたり1つ映像を収めなければならなかったということが原因らしい。なので、この作品は「映画」として監督が当初ベストだと考えていたバージョンな訳ですね。

国立競技場をはじめ巨額な国家予算を投じて様々な施設を整えアジア初の“東京オリンピック"がいよいよ近付いてきました。オリンピックの火はギリシャから太平洋を渡って、いよいよ日本に近づき東京はすっかりオリンピックモードです。羽田空港には、アメリカ選手団をはじめとして、各国選手が到着。万国旗のひらめく中、聖火は点火され平和を象徴する鳩が放されいよいよ東京オリンピックの開幕です。


1964年東京オリンピック開会式。画像は日本選手団の入場シーンです。
オーストラリア、フランス、イタリア、インド、メキシコ…などなど。国により制服にも個性があり、見ているだけでとっても楽しいです。

あと、(どうでもいいところなんですが)2名だけで参加したカメルーンの選手にアナウンサーの「まったく健気であります。健気であります。」っていうエールのような実況。何だか妙にハマっちゃいました(笑)。


私はスポーツ観戦が好きです。(もっぱらテレビですが…。)
アスリートのドキュメンタリーなんてもう大好物です。
そんな私にとっては、この作品はこの上ないおご馳走なんですね。

何てったって、スポーツにはドラマがあります。
感動があります。
人生そのものです。
全身全霊をかけて勝負するアスリートの姿は本当に美しいです。

この作品が素晴らしいのは、ただの「記録映画」ではないところ。実験的な手法を積極的に取り入れながら、緊張・疲労・興奮…。限界に挑戦するアスリート達の心情をつぶさに捉えた演出や、鍛え上げられた肉体をスローモーションで見せたり、103台のカメラを使用し多角的に捉えたダイナミックな映像などなど…躍動感溢れる表現はもう鼻血ものです!

ちなみに、私のお気に入りは…いっぱいあり過ぎて困りますが、

柔道の無差別級決勝。
神永昭夫選手はひとまわり体の大きなオランダの選手A・ヘーシンクに負けてしまいます。試合終了後に胴着を整えて、握手。そして最後に互いの健闘をたたえ合うかのように爽やかな笑顔を見せるのです。なんて素敵なスポーツマンシップ!たまりませんな。思わず涙線がゆるゆるです。

他にも、観客の声援を贈る姿や、プレスルームの記者団たちの仕事ぶり、競技スタッフの様子など競技とは直接関係ないギャラリーや、オリンピックに携わる裏方が取り上げられているのも興味深いです。

若干好き嫌いが別れるジャンルだと思いますが、スポーツ観戦好き、昭和好き、ドキュメンタリー好き、オリンピック好きの方にはたまらない作品だと思います。


東京オリンピック@映画生活
前田有一の超映画批評



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