徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

悪魔の手毬唄

2008年07月14日 | ★★★★




悪魔の手毬唄
おすすめ度
製作:1977年 日本
製作:市川崑 田中収
監督:市川崑
原案:横溝正史「悪魔の手毬唄」
脚本:久里子亭
出演:石坂浩二 岸恵子 北公次 永島暎子 渡辺美佐子 仁科明子 草笛光子 頭師孝雄 高橋洋子 原ひさ子 川口節子 辰巳柳太郎 大羽五郎 潮哲也 永野裕紀子 富田恵子 若山富三郎 加藤武 中村伸郎 大滝秀治 三木のり平 山岡久乃  林美智子 白石加代子 岡本信人 常田富士男 小林昭二 辻萬長

「犬神家の一族」のヒットを受けて翌年の1977年に公開された、市川監督の金田一シリーズ第二弾「悪魔の手鞠唄」です。昭和ロマネスクサスペンスの真骨頂だと思います。…って私、地味にハマってます(笑)

金田一耕助(石坂浩二)は岡山県警に磯川常次郎警部(若山富三郎)の声かけで鬼首(オニコベ)村 にやってきます。指定された宿は青池リカ(岸恵子)が女将をつとめる亀の湯。一足遅れてやってきた磯川警部は金田一に20年前の迷宮入り事件を再度調査する事を依頼します。そんな中、鬼首村出身の人気のアイドル、大空ゆかり(仁科明子)の帰郷の知らせがあります。幼馴染みの若者、青池歌名雄(北公次)、里子(永島暎子)別所五郎(大和田獏)、由良敏郎(頭師孝雄)、泰子(高橋洋子)、仁礼流次(潮哲也)、文子(永野裕紀子)たちは久しぶりの再会を喜び盛り上がっています。

依頼された調査の為に総社に向かう途中、金田一は多々羅放庵(中村伸郎)の五番目の妻、おりんと名のる老婆とすれ違います。ところが、旅籠「井筒」の女将(山岡久乃)はおりんは昨年既に亡くなっていると言うのです。金田一はその足で元夫である多々羅放庵の家に向かいますが、そこには謎の血痕が残され、放庵の姿はありませんでした。そしてその晩事件が起こります。村の川で泰子が変わり果てた姿で発見されるのです。平和だった村は大騒ぎ。そんな中、由良家の御隠居(原ひさ子)が聴いて欲しい唄があると言います。

今回も無気味です。
何たってジャケがいいではないですか〜。
手毬で遊ぶ日本人形ちっくな少女と血の色のようなぶどう酒に浸かった乙女ですよ。あばばば。
怖いですね〜。

横溝氏自ら「比較的良く書けた作品だった」と発言しているだけあって、とっても完成度が高いです。村で起きた連続殺人事件を解決する為に捜査をすすめていくと、20年前の未解決事件へと繋がっていくというストーリー展開はスリリングでとても面白いです。

とはいえ。相変わらず重要人物が多く、ついていくのに必死な私でした(恥)。
そして今回もまた「諸悪の根源」となる人物がいるわけですね〜。「もーあんたが無茶するから〜〜」と突っ込まずにはいられません。


御隠居(写真/左)は歌います。


うちの裏のせんざいに
雀が三匹とまって
一番目の雀のいうことにゃ
おらが在所の陣屋の殿さん
狩好き酒好き女好き
わけて好きなが女でござる
女たれがよい枡屋の娘
枡屋器量よしじゃがうわばみ娘
枡ではかって漏斗で飲んで
日がないちにち酒浸り
それでも足らぬとて返された返された
                ♪

それはまさに、泰子の死に様そのもの!
手毬唄の歌詞を利用して殺人をしたに違いない!この唄を知っている人物に犯人の手がかりがある!そう直感した金田一さん。鋭い推理はさらに続きます。「唄には続きがあるのではないですか?」と。ところが御隠居さんってばこの先を思い出せない!あらら〜。むしろそこが大事なのに…。仕方なく他にこの唄を知っている人物は?と訪ねたら、多々羅放庵の名が出ます。そんなわけで警察は早速、消息不明の多々羅放庵(写真/右)を容疑者として捜査をはじめます。

今回はある意味由良家の御隠居に弄ばれてしまう金田一さん(笑)。事件が起きた「後」に歌詞を思いだすんですね、このお婆ちゃん。



いろいろあったけどようやく全ての謎が解けた金田一さん。
ここで皆を集めて謎解きです。
加藤武さん、大瀧秀治さん、草苗光子さんは今回も出演されています。
ここでの皆様のオーバーリアクションが素敵です。

それにしてもこのシリーズはハマるな〜。
やっぱり子供の頃に観て面白いと思った作品って今観ても楽しいですねえ。
って言っても内容殆ど覚えてないなあ…。
とりあえず市川作品だけでも再チェックしてみようかな?

悪魔の手毬歌@映画生活
前田有一の超映画批評



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