徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

Rain レイン

2008年07月16日 | ★★★


Rain レイン
おすすめ度
原題:THREE DAYS OF RAIN
製作:2003年 アメリカ 日本未公開
製作:ヴィム・ヴェンダース
監督・脚本:マイケル・メレディス
出演:ドン・メレディス ピーター・フォーク エリック・アヴァリ ライル・ラヴェット ペネロープ・アレン ブライス・ダナー ロバート・キャラダイン ヘザー・カフカ ジェイソン・パトリック マックス・パーリック ウェイン・ロジャー スケア・デュリア マーク・フォイアスタイン マーレ・ケネディ

ロシアのアントン・チェーホフによるいくつかの短編をベースに、6組の人々が苦悩を乗り越えてゆく姿を描いた群像劇「Rain レイン」です。製作は巨匠ヴィム・ヴェンダースがつとめています。


アルコールと息子に頼りっきりのワルド。
「刑事コロンボ」でお馴染みのピーター・フォークですねえ。
しょっぱい老人の役を味わい深く演じています。

息子を亡くしたばかりの失意のタクシー運転手ジョン(ドン・メレディス)。
乗車するゲストたちに「最近息子が死んだんだ。」と話し出すジョン…。

ベビーシッターとして更正を始めた麻薬中毒の女(マール・ケネディー)。
彼女には生まれたばかりの娘がいますが、離ればなれに暮らしています。
実は彼女の娘は判事の男の家に里子として預けられていて…。

長雨で製作中の商品がダメになり、粘土も買えないタイル職人のサンダーキング。一刻も早く家賃を払わないとアパートを追い出されてしまいます。友達に借りようか?車を売ろうか?色々お金の工面に走ります。

線路整備の詰所で掃除係をしているデニス。
軽度の障害がある彼は職場で孤立しています。そんなある日上司にはめられ本社から呼び出しを受けます。身に覚えのない彼は戸惑いながらも上司から言われるままに行動します。

人生も半ばを過ぎ、自分の生き方に疑問を感じはじめたアレックス(エリック・アヴァリ)。仕事も家庭も仕事にも恵まれていますが、何かが足りないと感じはじめています。ディナーの帰り、彼らはホームレスに出会います。アレックスはテイクアウトの食事を彼にあげようとしますが奥さんは猛反対。思わぬところで妻と対立してしまい、価値観の違いに戸惑います。

舞台は、クリーヴランドという寂れた街。ある日この街に、記録的な大雨が降り始めます。そこに住む様々な事情を抱えた人たちを、降りしきる雨と供に静かに描いた作品。哀しみの雨が降り続けた3日間。彼らの運命は大きく動き始めます。

雨は憂鬱です。その雨が悩める人の不安ややり場のない孤独感を掻き立てるんですね。BGMで流れるしっとりとしたジャズが作品を盛り上げています。


前田有一の超映画批評



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