徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

娘・妻・母

2008年07月22日 | ★★★





おすすめ度
製作:1960年 日本
製作:藤本真澄
監督:成瀬巳喜男
脚本:井手俊郎 松山善三
出演:三益愛子 森雅之 高峰秀子 松岡高史 団令子 原節子 宝田明 淡路恵子 仲代達矢 中北千枝子 上原謙

先日たまたまBSで観た「娘・妻・母」です。成瀬巳喜男監督作品は初めてだったのでわくわくしながら観賞しました。

東京のとある住宅街に住む坂西家。一家には、60歳になる母親あき(三益愛子)、会社で部長職を務めている長男の勇一郎(森雅之 )と妻の和子(高峰秀子)、孫の義郎(松岡高史)、それにブドウ酒会社に勤める末娘の春子(団令子)の5人が住んでいます。ある日、夫、姑との仲がうまくいっていない長女の早苗(原節子)が遊びに来ました。ところがこの里帰り中、事故で夫は死亡。行く宛のない早苗は、毎月5000円の生活費を入れて実家に住みつくことになりました。勇一郎は、家を抵当にした金で町工場をやっている和子の叔父に融資し、その利息を生活の足しにしています。そんなある日、更に50万円の融資を申しこまれ、その金の用立てを早苗に頼みます。実は彼女は夫の保険金100万円を所有していたのです。断り切れない彼女は、言われるまま承諾します。少し落ち着きを取り戻したある日、早苗は春子、次男の礼二(宝田明)と妻の美枝(淡路恵子)で甲府のブドウ園へ出掛けます。案内は醸造技師の黒木(仲代達矢)という男性。彼は早苗に好意以上のものを感じていました。東京へ戻り早苗は母の還暦祝の品物を買いに銀座へ出掛けます。学友の菊(中北千枝子)に誘われて入ったフルーツパーラーで、彼女の知り合いという五条(上原謙)を紹介されますが…。



突然もしもシリーズ。
「もしも、小津安二郎がリアリストだったら」



というのが初成瀬巳喜男監督の印象でした。

高度成長期を迎えようとしている時代。
1960年、女性のあり方も少しずつ多様化しはじめている頃の作品。
タイトルどおり娘・妻・母。
女性が辿るそれぞれの立場での目線で描かれています。
リアリティーある会話がどきどきします。

なかなか辛らつなドラマでした。


前田有一の超映画批評



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