徒然映画日記。

食わず嫌いは卒業し何でも観よう。思い切りネタバレありの「観た帳」です。

蠅男の恐怖

2008年07月19日 | ★★★★★


蠅男の恐怖
おすすめ度
原題:The Fly
製作:1958年 アメリカ
製作・監督:カート・ニューマン
脚本:ジェームズ・クラヴェル
出演:ヴィンセント・プライス パトリシア・オーエンス アル・ヘディソン

うははは。
見つけました「蠅男の恐怖」!子どもの頃観て度胆を抜いた「ザ・フライ」の元ネタとなった作品です~。

ある日、化学者のアンドレ(アル・ヘディソン)が変死体で発見されます。現場から逃げていく姿を目撃されたアンドレの妻エレーヌ(パトリシア・オーウェンズ)が事件の容疑者に。彼女は取り調べで、警部に信じられない出来事を語り出すのでした。

物理化学者のアンドレは物体を瞬時に別の場所に移動させる物質電送機を研究してします。ある日彼は遂にシャンパンやモルモットを用いた電送実験を成功させます。そして仕上げに、自身で電送の人体実験を行います。最初は成功したかのように思えますが、機械の中にハエが紛れ込んでいたため、電送の最中に両者が交じり合い、アンドレは頭がハエで体は人間、ハエは頭が人間で体がハエという奇妙な姿になってしまうのでした。

あー。おもろい。
1958年って既にカラーなんですね~。
インパクト絶大の名シーンが山盛りです。



アンドレの妻、エレーヌとアンドレの兄フランソワ(ビンセント・プライス)。
エレーヌはなかなか真実を口にしません。
フランソワはそんな彼女を説得し、警部の前で真実の告白を促します。
そして物語は、彼女の回想シーンとしてスタートします。





試行錯誤を繰り返しようやく研究の完成が近付いてきました。
数度の動物実験を重ね、自ら実験材料に。
上手く言ったかのように思えた実験でしたが…。


「困ったことになった。助けて欲しい」
アンドレは妻に、自分の「かたわれ」であるハエ探しを依頼します。
アンドレは口がきけなくなり、顔も見せてくれません。

なんとかハエを見つけることに成功するものの、なかなか捕まえる事が出来ず焦りばかりが募ります。


彼女は、「ハエなしでもう一度単独で転送実験してみては?」と提案。
素直に従うアンドレ。


「ホラ!成功したわ!」と言い
顔にかけていた布をとったヘレンはびっくり!
バーーン!!
蠅です。
残念。

それにしても。
うーん、たまりませんな!この造型。
頭に被りものをしただけの蠅男(笑)
パーティーでの悪ふざけにしか見えません。


きゃああああああっ!!!!!!!!


ハエ化がすすみ、意識が朦朧としてきたアンドレは
自分の実験の全てを抹消して自殺することを決意します。

彼女はその自殺をお手伝いする訳ですね。
でも、そんな話を信じるはずもない警部。
彼女の病院送りが決定してしまいます。



そしてそして!




物語の最後の山場です!
ヘレンの重要な証拠となる「頭が白いハエ」を発見!
警部と、兄フランソワは驚愕!!
「HE~LP!ME~~!!」というかん高い声の先に見たものは
変わり果てたアンドレ蠅(新種)とそれを食おうとしている蜘蛛だったのです。




たまりませんな。
なんて味わい深いんでしょう。
これは私の期待をかなりの勢いで超えてましたよ(笑)
ザ・フライコンプリートDVD-BOX
本気で欲しくなってきました。

妻エレーヌのしたたかさが素敵。
愛するアンドレが亡くなっているのに(設定としては事件から数日後のはず。)
「こんなに寝て食べばかりいたら太っちゃうわ」とか
「ふぁ~よく寝た~」とか
と意外とのんき。
普通もっと凹むでしょうよ。
ってか凹んで下さい。
最後はちょっとフランソワといい感じになってるし(笑)。
まあ、そういうドライな態度込みで面白かったからいいんですけど。


前田有一の超映画批評