最近になって分かったこと。
パンクロックの草分けのセックス・ピストルズ。
そのメンバ-の一人である、
ジョン・ライドンの動画を、たまたまだけど見ていた。
(ジョン・ライドンはボーカル担当のジョニーロットンのこと)
今や、
パンク・ロックはファッションなどでの、
カルチャーの一つになっている。
もちろん、
音楽ではひとつのジャンルを形成していて、
恰好よいという価値観さえ出来上がっている。
この感覚というものほど、いい加減なものはないし、
反対に、直感的に物事をつかむから、
本質をつかんでいるということも言える。
私もその遅れた手合いの者でありまして、
真面目?な価値観に騙されてきたような人間でありますから、
全くそのパンクの意味に気づけなかったのです。
今頃になって、
もう本当に恥ずかしい限りですが、
パンクの本質に気づいてしまった。
パンク・ロックが出てきた1970年代、
そして、
急激にパンクが流行り始めた70年代後半。
セックス・ピストルズは、パンク・ロックの旗手として、
一躍注目を集めた。
そのバンドのボーカルが、
ジョニーロットンことジョンライドんである。
その彼がインタビューのあとに、
こういったというのだ。
「悪かったな、俺はこういうキャラで通しているから、
気を悪くしないでくれ」
そう、インタビュアーに言ったという。
以上の文句は、だいたいの中身だから、
おおよそということで聞いてほしい。
つまり、
あの不良で口ぎたなく罵っていた、
無秩序そのもののイメージからは程遠い、
普段のジョン・ライドンは、
作られたイメージを被っていたと告白している。
彼らは思想的に革命を表現したかったのだろう。
既成の社会システムに満足できない思いを、
音楽やファッションで表明したかったのだろう。
それが今や、格好良いという感覚になって、
若者たちのファッションに定着している。
なんてことだ、
俺はこれまで、そのことに気が付かなかったんだ。
もう一人、
イギー・ポップもそう言っている。
彼の素顔はとても明るくて、
声も高いそうだ。
彼のライブ・パフォーマンスは、
これまた作られたキャラクターを装うことで成り立っているようだ。
デビッド・ボウイと出会う前のイギーは、
高い音域のボーカルとしてバンド活動を行っていたそうだ。
それが、
ボウイと出会って、
ボウイに盛んに低音域の声をほめられて、
推奨されたそうである。
それがアルバム「The・Idiot」に結実したという。
これもロック産業のひとつの裏世界なのかもしれない。
だが、
パンクが単なる日常に対する不満として、
感覚的に表現された「破壊」「革命」「反道徳」なんかではなく、
皮膚的に感じていた彼らの社会の矛盾、
通用しなくなった、現行の社会システムを突く。
それがあの「パンク」として表現されたのだと、
今になって理解できる。
彼らはすでに知っていたのだ。
既成の社会システムは、
もう人々を幸せにはできないと。
それが今頃になって、
人々の抗議デモとなって表れてきている。