「風の時代」が始まったとよく言われる。
風の時代と呼ぶことについては、
問題ないと思うんですね。
そこで、
感じたことを少し書いてみたいと思うんです。
ところで、
今年は気学でいうところの、
六白金星中宮の年に当たります。再度掲載しますと、

こうなりますね。
でこれを見ると、
五黄土星が巽宮に入っているわけです。
ここに一つのポイントがあるんです。
これって、
風難を表してるんじゃないかと。
観音経というお経の中に、
「七難」というのが出てくるわけですが、
風難はその中の一つに当たるわけですね。
七つの災い、
それはまず第一に、火の難。
第二に、水の難。
第三に、風の難、
と、こう続くわけであります。
風とは、一体何を表すのか?というと、
それは人から人への口コミであります。
噂であります。
それらから来るところのスキャンダルであります。
それらはまるで風のように吹いて広まるので、
風の難と言われているのです。
正しい知識や情報であるなあらば、
多くの人に有益となるのですから、
それは喜ばしいことでしょう。
ところが、
悪い噂となると、これはいけません。
根も葉もないことを、
まるで真実であるかのように、
一つの事柄が人々の間に広がって、
それはまるで既成事実であるのかのように、
人々の心に出来上がって、
住み着いてしまう恐怖。
そして不幸。
風評被害という言葉が有りますが、
まさにそれですね。
モノが売れなくなったとかいうのであれば、
それは損害ということで、
金銭的な損害は、また取り戻せるのですが、
人の評価というものは、
一度世間に出来上がってしまうと、
それを取り戻すことは、至難の業であります。
ただ、
❝人のうわさも七十五日❞という諺もあるようなので、
モノは取りようだと、
気にしないでいるということも大事ですがね。
それでも、
やはり人と人との間に広がる話というのは、
強力ですよね。
一つのイメージを変えることは、
大変な努力と時間を要するわけで、
一生かかっても元に戻せないことの方が多いんですから。
ある話ですが、
ある人妻が自宅の玄関で、
営業に来た男性と楽しそうに話し込んでいた。
その光景をある近所の女性が見て、
ああ、あの奥さんは浮気をしていると、
ぱっと思い込んでしまったわけです。
そして、
それをある村の人に言ってしまったわけですね。
こういう誤解って、
結構あるものですよ。
すると、
その話はたちどころに、
その地域全体に広まってしまった。
その人妻の奥さんは、
まったく寝耳に水の話で、
夫に懸命に弁解しても、まったく聞き入れてもらえず、
ついにその人妻は、自殺してしまったという。
そして、その遺書には、
延々と無実の恨みが書いてあったそうです。
後でその話を人に軽い気持ちで言った奥さんは、
実際の事実を知って、
一体どう思われたのでしょうか?
口の災いというものが、
同時に、
人を実際に傷つけることを、
如実に言い表しているのが、
この話ですね。
ですが、
芸能関係の週刊誌なんかでは、
こんなことは日常茶飯事ですよね。
だって、
人のことをこき下ろして、
そして、
日々の生活に塗するわけですから。
まことに大変な世の中だと思います。
自分が言いふらした根拠のない情報によって、
他人が傷ついたり致命傷を負ったりすると、
それを読んだり聞いたりした人も、
大いに喜んだりする人が、
今は多いように感じられる。
それだけ、
人々の心が傷ついていて、
その傷ついている分だけ、
他人を傷つけることで、
自分自身を満足させる。
そういうような現象に思えます。
ですが、
これもまた人の心のなせる業と言いましょうか。
人を羨んだり妬んだりする心、
それが風の難を招くと同時に、
それらを引き起こすのは、
自分自身の過去の行いであることも事実であります。
私たちは、この因果の道理というものを、
よく理解することは必須であります。
それが分からないことを、
仏教では「痴」と表現します。
人間社会の因縁因果の道理に暗いことを指して、
《痴》だというのです。
人は目先の利益だけを見て、
人生を生きて生き勝ちですよね。
本当の利益というものに、目が行きにくい。
本当の利益とは何か?
それは幸せということです。
そこで、
私たちの幸福というものを、
今日はお彼岸の日ということですので、
今一度考えてみたい。
そういう日にしたいと思うのです。
みなさんも良き一日にしてくださいね。