町田・多摩センターの司法書士ミヤの開業ブログ~生き生きと生きる~

『司法書士法人まちたま』の代表です。多摩センターと町田の2拠点で活動。備忘録として書きます。

取り繕い

2019年06月25日 00時14分42秒 | 雑感
町田・相模原の司法書士・行政書士の宮下です。






上司「まず前提として、ZがこうなってYになるでしょ?

部下「はい。

上司「んで、これがYになるってことは、こっちはXになるよね。ここまではOK?

部下「はい。

上司「あっ、違うわ。XじゃなくてWだ。んで、これがこうであーだこーだ・・・・・






こんな上司と部下の会話があるとしましょう。
上司は部下に何かを教えてますね。

さて、この会話の中で、おかしな所はどこでしょうか?






そう、部下の2回目の「はい。」です。


部下の2回目の「はい。」は明らかに何もわかってないのにわかったふりをしています。

本当はXではなくWなのに、部下は上司の「OK?」の問いに「はい。」と答えてます。



そして、話の流れ的にまだこの会話は本題に入ってません。
その前提知識の確認をしているので、おそらく部下もある程度把握しているであろう知識の確認をしています。



しかし、上司が間違った説明をしているのに、部下はわかった風の返事をしています。

つまり、"取り繕ってる"わけです。

この時、部下は心の中でこう思うはずです。

やべっ!わかってねーのに適当に"うん"って言っちゃった!上司に突っ込まれたらどうしよっ!(≧∀≦)



そして、上司は部下の取り繕いに気づいていないか、気づいていても”まぁいいか”と思って話を進めていることでしょう。







この現象ですね、僕はよくありました。笑

聞いてるようで聞いてない。
わかってるようでわかってない。


今はこの上司と部下のように直接的に誰かに教わる事はほぼないので、取り繕いはなくなりましたが、今でもたまに似たような場面はあります。

みなさんも意識してみると結構取り繕ってるはずです・・・・僕だけ?笑






さて、この"取り繕い"は、ある特定の人に起こる現象でもあります。

わかりますか?



答えは「認知症の人」です。

認知症でも特に「アルツハイマー型認知症」の人の会話にはこの”取り繕い”がよく見られるようです。







僕が取り繕っていた過去のケースでは、次のような理由から取り繕いが生じていたと考えられます。

・そんなことも知らないのかよ、と思われたくないというやっすいプライド
・教えてる側の話を途中で止めてしまうのは気が引ける
・わからないことがわかってないから適用に話を聞いている(笑)



こんな感じでしょうか。




僕の”取り繕い”は「何かを教えられている時」に特化して見られる現象です。

しかし、認知症の方の”取り繕い”は「日常会話」でも生じます。

ここが大きな違いです。







自分はわかっている、理解している、おかしな人だと思われないように合わせる返事をする・・・。

きっと取り繕いに共通するのは「プライド」なんだと思います。






認知症の方の取り繕い反応は、プライドだけでなく様々な心理的葛藤が要因と考えられているようですが、そこに関わる人たちは「なんで嘘をつくの?」などの責めるような言葉は禁物です。

認知症である本人は嘘を付いている自覚がないですから、そこを責めてしまうと落ち込んで閉じこもりがちになってしまいます。




一方で、やっすいプライドで僕みたいに適当な合わせ返事をしている人には容赦なくツッコミを入れてもいいと思います。











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