旅の途中で

絵のこと音楽のこと本のことetc・・・趣味全開でスケッチスケッチ!

天空の蜂

2006年01月06日 21時42分45秒 | 
最近「本」のカテゴリーを更新してなかったけど、ずっと読み続けてはいたのよ。相変わらず、東野圭吾さんとか横山秀夫さんとかの(あと最近、森博嗣さんに手を出した)サスペンス・推理物を中心ににね!
宮部みゆきさんも、新作出さないかなー

で、ちょうど今日読み終わったのが東野圭吾作「天空の蜂」。すごい分厚い本なんだけど、めっちゃ内容が濃くておもしろかった!!
あらためて東野さんの才能に脱帽です~~

なんていうか、この人って作品を書くときにものすごく調べるんだろうなぁと思う。
もちろん作家はそれが当たり前なんだろうけど、とにかくこの人の作品は一作ごとにまったく違う世界が描かれてるんだよね。
クラシックバレエの世界に、演劇の世界、茶道の世界。かと思えば今回読んだ「天空の蜂」は、原子力発電所が舞台になっている。

簡単に言うと、最新型ヘリコプターを盗んだ犯人が、北陸にある高速増殖炉「新陽」の真上にホバリングさせて、日本全国の原子炉を壊さないとヘリを落とすと脅迫する話。
本はとっても分厚いけれど、事件発生から終わりまで経過した時間は数時間なの。ヘリに詰まれた燃料には限りがあるから、悠長に何日もかけていられないということだ。
この数時間という間に、すべてがギュッと凝縮されているから、ものすごい緊迫感のある本になっている。

しかも、単なるサスペンスじゃないところが良い。
原子力という、普段私たちが見て見ぬふりをしている、やっかいで悩ましいエネルギーについて濃い問題提起をしてくれている。
はらはらと目から鱗が剥がれ落ちる作品だった。