旅の途中で

絵のこと音楽のこと本のことetc・・・趣味全開でスケッチスケッチ!

最近読んだ本

2012年07月02日 23時37分29秒 | 
 夜の国のクーパー 伊坂幸太郎 著

今まで私が読んだ事のある伊坂さんの作品とは、一味も二味も違っていました。

伊坂さんの作品は、一見非日常で不思議な雰囲気を醸し出していますが、実はすごく現実的な世界を描いていることが多かったと思うんですが、この物語は「架空の世界」が舞台になっています。

語り手が複数いて、章ごとに視点がコロコロ変わるのは伊坂さんらしいですが、今回は語り手の一人・・・というか一匹が「猫」なんです。

その小さな国の小さな町は、敵国から自分達を守るために町をぐるっと高い塀で囲んでいます。
町の人々は、その塀の中から外に出ることはありません。

唯一例外だったのが、町の外に現れる「クーパー」という怪物を倒すために、毎年選ばれた「クーパーの兵士」達が町の外に出て行く事でした。
そして出て行った兵士達は、二度と戻ってくることはありません。

そんな戦いも10年ほど前からぷっつりとなくなり、塀の中で穏やかに生活していた人々の前に、突然敵国から兵士達が乗り込んできます。
尊敬していた国王を敵国の兵士にあっさり殺され、自分達も支配されるという恐怖に慄く人々。

そんな人間達を、どこか他人事のように観察している猫達。

そんな猫達に追われる事に嫌気がさし、突然反旗を翻したネズミ達。

よそ者が塀の中に入ってきた途端、人間も猫もねずみもその世界が大きく変わって様子が、とても面白かったです。

支配された町はどうなるのか?クーパーってなんなのか?
クーパーの兵士達はなぜ戻ってこないのか?

伊坂さんっぽくないけど、ものすごく伊坂さんっぽい作品。

読み応えありました!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

次は道尾秀介さんの「シャドウ」を読みます。

が、読み始めようと本を開いたところ、なんと一部ページが断裁できてなくて、くっついたままになっています・・・

こんなん初めて!早く本屋さんに行って取り替えてもらおうっと・・・




デモの話です

2012年07月01日 22時16分32秒 | そのほかのこと
6月22日、私は生まれて初めて自主的にデモというものに参加してきました。

参加と言って良いのか微妙ですが・・・
声は上げずに、ボーっとその場に突っ立っていただけなので・・・

大阪中ノ島にある、関西電力本社前で行われた、大飯原発再稼動反対のデモです。

ネットではたくさん情報が流れていましたが(私もツイッターでデモ開催を知った)、テレビではほとんど取り上げなかったみたいなので、知らない方も多かったかも。
毎週行われているみたいです。

で、どんなもんか興味があったので、とりあえず行ってみたわけです。
正直、思ったより人は集まってないな・・・?という感想でした。
でも、この日の東京の官邸前デモに45,000人集まったと聞いて、じゃあ来週も行ってみるか・・・と思いました。

そして翌週の29日に再び行ってみると、あきらかに人が増えていました。
(実際、22日は1,500人、29日は2,200人ほど集まったそうです)

関電に通じる道を曲がった瞬間、一目で先週より多いとわかるくらい、たくさんの人達で溢れ返った光景を見た時は、さすがに胸にグッとくるものがありました。

ちなみにこの日の官邸前デモは、15万人集まったと聞いています。

私の中で日本のデモというと、車道の隅っこを警官に誘導されながら、細々と列を作って歩いているというイメージでしたが(もちろんそれでも、やるだけ意味があるんですが)、関電前のデモでは、楽器を鳴らしたり思い思いのプラカードを持ったりして、にぎやかで活気がありました。

そして思ったより若い男女がたくさんいました。
私みたいに、会社帰りにふらっと寄った感じの人や、子供を連れた若いお母さん・お父さん。学生風の人達。
デモというと、特殊な人達の集まりのように思う人もいるかもですが、ごくごくフツーーーの人達でした。

そして相変わらず、声は出せずにボーっと見ているだけの私・・・ゴメン


昨日と今日も、大飯原発前や東京でデモが繰り広げられていました。
テレビでは相変わらずほとんど取り上げないみたいですが、ネットで生配信していました(というか、この時間もまだ大飯では継続中)。

残念ながら、今日、大飯原発は再稼動してしまいましたが・・・
きっとこれからも、デモの規模はもっともっと大きくなっていくだろうなと確信しました。


昔、デンマークを旅行した時に現地のデモに遭遇したことがあります。
車道いっぱいに人が溢れかえって、大きな塊となって押し寄せてくるようで、初めて見る光景に、日本とは規模が違う・・・と驚きました。

6月29日の官邸前のデモを見て、あの時の衝撃を思い出しました。