丸顔おばさんのブログ

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⑨新型コロナウイルス:傷寒論が通用しない病態:だからこそ荊芥連翹湯〈Dr.Yさん動画〉

2020-08-02 05:35:03 | Dr.Yさんコロナ・荊芥連翹湯動画文字起こし
この動画はね、わたしが荊芥連翹湯を自分のブログを使って拡散を始めたばかりの頃、壁にぶちあたったときに配信してくださったなつかしの動画です。

↑こんなふうに悩んでいたw

ネット上では、荊芥連翹湯がコロナに効くなんてデマだと言っている人が散見され、どうしようかと思っていたところ、

Dr.Yさん、さりげなく動画の中で拡散の文言をアドバイスしてくださって、おばさん感激しちゃったの

そして、なぜ荊芥連翹湯を選択したのか、日本と中国の漢方事情の違い、それから先生の漢方に関するお考え、今回のコロナに荊芥連翹湯で立ち向かう方法など、専門的なことも含めてお話してくださっている。

漢方にお詳しいDr.Yさんの考える理論(この動画のお話)で、実際に院内感染予防ができて、エビデンスができたので、すばらしいと思っている。




9、新型コロナウイルス:傷寒論が通用しない病態:だからこそ荊芥連翹湯

以下、文字起こし。赤、おばさん追記。******************

緊急事態宣言の延長が決まり、5月末日までの行動自粛が指示されました。荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)が予防薬として広まることで行動自粛が早期に解除されることをDr.Yは願っております。

本日は荊芥連翹湯を選択した理由について解説します。
日本の漢方薬は中国のようなオーダーメイドではなく既製品です。新型コロナウイルスの鍵穴にたまたま荊芥連翹湯がぴったり合致したのでDr.Yは動画配信を開始しました。
MARSやSARS、エボラ出血熱が日本で流行してもそれに有効な漢方薬は存在しないと考えておりますので、そのときには私は静かに行動自粛をしていたと思います。

病気に効くという表現はとてもあいまいです。とても良いもの・ちょっとだけ良いもの・それで病気が治るものと大きな違いがあります。荊芥連翹湯はそれだけで病気が予防でき病状回復を早めることが期待されます。

中国で傷寒雑病論に基づいた清肺排毒湯がかなりの効果があるとの報告がありますが、私の私見では荊芥連翹湯の方が効果が数倍高いと考えています。それ以外の漢方薬は理論上は効果が期待できても机上の空論であり、臨床上はほとんど効果は期待できないとわたしは考えています。
日本の漢方医は急性ウイルス感染症に対して荊芥連翹湯をほとんど使用しません。ですから多くの漢方医は私の発言を不思議に思っています
しかし中国の中医の先生方は荊芥連翹湯の組成を見て、なるほど日本にも結構すばらしい処方があるんですねと評価してくださいます。
漢方薬は中国から伝わり、日本はその古典を尊重して忠実に日本漢方を発達させてきました。ところが中国では時代の進歩とともにさらに進化し続けています。東洋医学の発祥は紀元前後の中国の漢の時代にさかのぼり黄帝内経や傷寒雑病論という古典を基礎に発展を遂げています。
日本には遣隋使、遣唐使によりそれらが伝えられ古典を大切にするという考え方に基づき、急性医療に関しては傷寒論、慢性病に関しては金き要略を基礎として日本漢方として独自の発展を遂げました。それに対して、中国では黄帝内経の世界観を基礎に最新の知識を取り入れ、著しい進化を遂げています。
日本の荊芥連翹湯は明の時代に万病回春という書物が記されその荊芥連翹湯を参考に明治時代の日本の森道伯先生が創薬された処方で、一般的には耳鼻科・皮膚科領域の漢方として使用され急性感染症に対して使用することはあまりありません。
しかし、この生薬の構成成分が新型コロナウイルスに有効だと中国で提唱されている多くの処方と酷似しています。
日本では1967年に漢方エキス剤が保険収載され、方証相対と申しまして患者さんの病状に合わせて既製品の中からふさわしい処方を選択するのが日本の漢方の特徴であり新たな科学の進歩にはついていけていません
中国では弁証論治と申しまして患者さんの病状を詳細に調べたうえで、さまざまな生薬を組み合わせて、オーダーメイドの処方を創薬しますので、新たな時代の進歩に適合し、新たな処方が生まれています
確かに傷寒論の六病位の理論は急性疾患の病態を明快に分析しており、現代においても集中治療室で重病患者さんを治療する立場の私にとっても、とても参考になります。病気を太陽病・少陽病・陽明病・太陰病・少陰病・厥陰病に分け、病気が表面にあり、体力が残ってるときには積極的に攻撃的な治療を行い、病気が奥に入り込み、体力が低下した時には攻撃的な治療を控えて守りに入るという理論であり、患者さんの体の中で病原体と戦闘する状況がわかりやすくイメージすることができます。一般的な風邪やインフルエンザに対してはこの理論はうまくマッチします。
葛根湯や麻黄湯などの瀉剤は初期の二日間にのみ使用しそれで治癒しなければ西洋薬を使用、治癒が遷延した時には補中益気湯などで体力を温存させ、回復を促すというのが一般的な治療法であると私は考えています。
しかし新型コロナウイルスは風邪のウイルスとは異なる病状の経過を示します。無症状のままゆっくり進行し症状が出始めると急速に悪化する、このような病態を傷寒論の薬で治療することは困難と考えています。細菌感染に対して、抗生剤抗菌スペクトラムを参考にして臓器特異性を考慮しつつ、抗生剤を選択するのが一般的です。
私は漢方薬も漢方薬抗ウイルススペクトラムをイメージしつつ漢方薬を選択します。もちろん漢方薬が直接ウイルスを攻撃するわけではなく、免疫応答を介して間接的に抗ウイルス作用を呈すると考えております
ただし、漢方薬はさまざまな生薬のオーケストラであり、西洋薬のように科学的にこれらを証明することはできませんが、イメージとして仮説を作り上げそれに基づいて治療を行っています。
漢方薬があれば、未知の病気はなんでも解決できるわけではありません。はじめに申し上げましたとおり、MARSやSARS、エボラ出血熱に対しては有効な漢方薬はないと考えています。
たまたま荊芥連翹湯が新型コロナの鍵穴にスパッとはまったので、びっくりして、慌てて動画で配信した、そういうことです。
新型コロナウイルスに対抗するには古典的な傷寒論の考え方では無理です。馬に乗って槍で戦に望むようなやり方では勝ち目はないと思います。荊芥連翹湯というトマホークミサイルでウイルスを攻撃し、それで不十分なときは補中益気湯という戦車部隊・補給部隊でゆっくり攻めていく。これが現代に通用する漢方理論であると私は考えています。Dr.Yでした。


説明欄

日本の漢方は中国の古典である傷寒雑病論を基本に発展し、方証相対と言う言葉に示されるように、患者さんの体質と病態からどの処方が適しているのかを、140種類の既製品の漢方薬に当てはめて処方します。それに対して中医学は弁証論治と申しまして、患者さんの病状を詳細に調べたうえで様々な生薬を組み合わせてオーダーメイドの処方を創薬しますので、新たな時代の進歩に適合し、新たな処方が生まれています。
  傷寒論は熱性急性疾患の病態生理を説明しそれに適した処方を選択するうえでとても理に適った理論であり、日本漢方の基本的な考え方です。しかし、無症状のうちにゆっくりと進行し、発症と同時に急激に悪化する新型コロナウイルスの病状は、傷寒論では説明できず、現代の新たな理論で対応していくしか無いと考えています。
  日本の漢方医は急性ウイルス感染症に対して荊芥連翹湯を使用しません。ですから多くの漢方医は私の発言を不思議に思っています。日本の荊芥連翹湯は、明の時代に万病回春という書物が記され、その荊芥連翹湯を参考に明治時代の日本の森道伯先生が創薬された処方で、一般的には耳鼻科・皮膚科領域の漢方薬として使用され、急性感染症に対して使用することはありません。しかし、この処方の生薬の構成生薬が新型コロナウイルスに有効だと中国で提唱されている多くの処方に酷似しており、中国の中医は、荊芥連翹湯の組成を見て、日本にも結構素晴らしい処方があるのですね!と評価してくださいます。
  細菌感染に対して、抗生剤抗菌スペクトラムを参考にして臓器特異性を考慮しつつ抗生剤を選択するのと同じように、私は漢方薬抗ウイルススペクトラムをイメージしつつ漢方薬を選択します。漢方薬は様々な生薬のオーケストラであり、西洋薬のように科学的にこれを証明することはできませんが、イメージとして仮説を作りそれに基づいて治療を行います。
  漢方薬があれば、未知の病気が何でも解決できる訳ではありません。MERSやSARS・エボラ出血熱に対しては有効な漢方薬はありません。たまたま荊芥連翹湯が新型コロナウイルスの鍵穴にスパッと嵌ったのでびっくりした。慌てて動画で配信した!そういうことです。
  新型コロナウイルスに対抗するには、古典的な傷寒論の考え方では無理です。荊芥連翹湯というトマホークミサイルでウイルスを攻撃し、それで不十分な時には、補中益気湯という戦車部隊と補給部隊でゆっくり攻めていく。これが現代に通用する漢方理論と考えています。  荊芥連翹湯の普及により、新型コロナウイルス感染拡大が止まり、早期に行動制限が解除され、経済活動が戻ることを願っております。


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