ロドス島の薔薇

Hic Rhodus, hic saltus.

Hier ist die Rose, hier tanze. 

サンクトペテルブルク・サミットの隠された主役

2006年07月16日 | ニュース・現実評論

ロシアのサンクトペテルブルクで、サミットが開かれている。ここには中国の胡 錦濤首相も招かれている。当然に大きなテーマになるのは、北朝鮮のミサイル発射問題である。サミットに先立って、ブッシュ大統領はプーチン・ロシア大統領と会談して、北朝鮮の核保有を容認しないことを確認しあった。

しかし、今一度本当に確認しておかなければならないのは、中国、ロシア、それにアメリカが、北朝鮮の核保有を容認しないことの真の目的である。確かにそれは表面的には、北朝鮮の核保有による極東情勢の不安定化を問題にしているようにも見える。しかし、アメリカをも含めて、中国、ロシアの真の意図がどこにあるかを日本国民はしっかりと自覚しておく必要がある。

それは、隠されてはいるが、これらの国が会議の真の対象にしているのはいうまでもなく、ほかならぬ日本である。これらの国の主たる関心事は、北朝鮮の核保有にあるのではなく、それを契機として、日本が核保有することによって、その結果、日本が自主独立の性格をより強めることを警戒しているのである。

その意味では、基本的には、極東アジアの構図は、太平洋戦争前夜とは今日も変わっていない。在日アメリカ軍の存在も、極東アジアに対するアメリカの覇権の維持という側面のほかに、同時に、アメリカに対する日本の従属性を恒久化させておきたいからでもある。日米安保条約のこのもう一つの半面も当然に忘れるべきではないだろう。

だから、日本の当面の主敵である北朝鮮が本当は日本の「真の味方」でもあるということもできる。このことを確認した上で、小泉首相などは自分こそがこのサミット会議の隠れた主役であることを自覚して臨む必要があると思う。

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