領収書添付、全団体1円以上=政治資金規正法を再改正-自民方針 (時事通信) - goo ニュース
参議院選挙の投票基準
ある新聞社の掲示板で、参議院選挙の投票基準について、ある読者が次のような意見で投稿していました。それに対し私の投票基準は少し異なっていたので、以下のような意見を投稿しました。
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あなたは投稿№00120.で 国政選挙について
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社会保険庁の問題や「政治とカネ」の問題で、選んではならないと思う。権力闘争のためのスキャンダルで選んではならないと思います。
日本の将来の安全保障と繁栄をどう進めるのか、日本が毅然とした国になるためにはどうすべきか、という視点で選ぶべきだと思います。
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と述べられていますが、私の考えは少し違います。『政治とカネ』で、さらには『酒と女』できちんとできない政治家は、『日本の将来の安全保障と繁栄』を確立することも『日本を毅然とした国』にすることもできないと思います。『政治とカネ』は、そこに政治家の人格と品格が現れる根本です。ですから私は『政治とカネ』の問題で政治家を選びました。そして、この『政治とカネ』で倫理を確立することが、憲法問題以上に、日本を戦後レジームから、さらには封建日本レジームから脱却させることであると考えています。ですから、私は今回は『政治とカネ』で投票しました。
>終わり
この問題は、どのような人間観を持つかにもよると思います。人間の能力と倫理の関係です。高い倫理には高い能力が伴うと原則的にはいえると思いますが、しかし、両者の間には必然的な関係がないというのが人間たるゆえんかも知れません。
極めつきのやり手で高度の手腕、力量があっても、平然と賄賂のやり取りをしながら、泰然としている人格もあります。また「英雄、色を好む」という言葉もあり、武家社会の人格を色濃く残した明治の政治家、伊藤博文などは「酔うては枕す窈窕たる美人の膝、醒めては握る堂々たる天下の権」と詠じているようです。同じ「長州」の後輩である安倍晋三首相も祖父の岸信介氏と同じく、清濁併せ呑む「大きな器量」の持ち主であることをめざしているのかも知れません。
また、真実のほどは分かりませんが、乃木希典将軍はその高潔な人格ほどには、軍事的指導力においては卓越していなかったともいわれています。
ところで、今日の日本の根本問題の一つに公務員制度の制度疲労の問題があり、いわゆる官僚の早期退職制度や「天下り」などによる弊害が国家の中枢を蝕みはじめています。とくにキャリア制度が破綻をきたしているのだと思います。いわゆる「高級」公務員のモラルも、地に落ちはじめているのではないでしょうか。公務員全体のモラルと士気を向上させるためにも、公務員制度の根本的な改革が必要であると思います。
とくに戦前の全体主義的な「愛国心」の反動か、公益よりも私利私益を優先する戦後の風潮が国民、政治家、公務員などに顕著であるとすれば、そうした状況下にあっては、「政治とカネ」を選挙の投票基準とすることも悪くはないと思います。事実、今回の選挙では多くの国民がそうしたのではないでしょうか。そして今回の選挙結果によって、国民の意思が少しは自民党指導部にも通じたようです。
安倍晋三首相は選挙の敗北を受けて、政治資金規正法案の再提出も考慮に入れているようですが、姑息だと思います。安倍首相の「美しい国」の「概念」には、「武士は食わねど高楊枝」とうい武士道の片鱗すら含まれていなかったようです。