4核兵器と外交政策
そして最後に、この本が核時代における外交政策の形成と実行において含まれるすべての要素を探求する、とりわけ限られた専門家たちがともに従事した外交評議会によって指揮された研究の副産物であるという理由で、おそらく、この本はさらに重要性をもたらした。このように、この本は一人の個人の作品であるけれども、キッシンジャー博士は、関連するすべての分野における専門家たちの、また、たとえば、政府、外交、科学、工学、軍事、そして、武器生産などすべてにかかわ事務方の職員たち※の、経験と学識を用いる利益を持っていた。
こうした理由のために、そしておそらくその他の理由からも―――『核兵器と外交政策』はこの国において大きな需要を、その後私たちを迎えたミサイル時代ともなうスピードによって減少されることのなかった需要を満たしていた。
この現在の版は、いくつかの資料と細かな解説は省略されてはいるけれども、原典の本質のすべてを多くの読者たちに提供するための試みである。
ただ原典の十二章のうちの二章が――はじめの章で発展された概念によって明らかにされたNATOの詳細な調査の章と、そして、核兵器の技術的な性格にかんする解説的な章が、すっかり省略されている。さらに進んだ研究者あるいは批判的な研究家以外は、この要約版は原典と同様に、役立つことと信じている。この要約版は外交評議会の副編集者であるフィリップW・クウィッグによって準備された。
キッシンジャー博士は、私の考えるところ、わが国が直面しているもっとも困難な問題の一つからなるもっとも深遠で建設的な研究であるものを産み出した。私たちのディレンマから、たとえもし、われわれの頭に存在するとしても、逃れる道がある。そして、キッシンジャー博の本は、その頭とそして、ディレンマを保持し続ける方法を訴えている。
ゴードン・ディーン
※
研究グループのメンバーたちは次のような人たちだった。フランク・アルチュル、ハミルトン・フィッシュ・アームストロング、ハンソンW・ボールドウィン、ロイドV・バークナー、ロバートR・ボーウィー、マックジョージ・バンディ、ウィリアムA.M・バードン、ジョンC・キャンベル、トーマスK・フィンレター、ジョージS・フランクリン.ジュニアー、陸軍中将ジェームスM・ゲイビン、ロズウェルL・ギルパトリック、N.E・ハラビー、キャリルP・ハスキンス、ジェームスT・ヒル.ジュニアー、ジョセフE・ジョンソン、マービン・ケリー、陸軍少将ジェームス・マコーマック.ジュニアー、フランクC.ナッシュ、ポールH・ニッツ、チャールズP・ノイス、フランクC・ペース.ジュニアー、ジェームスA・パーキンス、ドンK・プライス、I.I.ラビ、デイビド・ロックフェラー、オスカーM・ルエブハウゼン、ウォルター・ベデル・スミス将軍、ヘンリー・デヴォルフ・スミス、シールド・バーレン、キャロルL・ウィルソン、アーノルドO・ヴォルファーズ