まさおレポート

万と咲く桜の下で


明日から始まるビジネスショーの準備を確認するために有明の国際展示場まで行った。その帰りにゆりかもめを待っていたところ、この駅のシンボルは桜であることをポスターで知った。既によく知られたことではあるが、現在の日本で全盛を誇っている種、染井吉野は江戸時代に大島桜と江戸彼岸を掛け合わせて作ったものだと解説してあった。ちなみに染井とは江戸染井村(現在の駒込)の事だそうで、この村の植木職人が江戸末期に染井吉野を作ったとある。いわゆるF1です。従って種はなく接ぎ木で増やすしか方法はない。

ポスターを見ていると、駅の案内人が近づいてきて講釈してくれた。染井吉野は幹が太くなるのは驚くばかりだが、実は100年ほどの寿命だそうだということが最近わかってきた。つまり染井吉野を作ってから100年以上経って初めてわかった事実だそうな。一般に樹木は何百年も生きるが、染井吉野は例外的に短い。しかも染井吉野はもともと「吉野」と称して、奈良吉野から持ってきたと偽って(かあるいはネーミングとして借りたのかよくわからないが)売り出した。

枝が下に向いて大きくなるのが特徴で、掛け合わせる前の大島桜と江戸彼岸にはそういう事は無いそうだ。この染井吉野どこでも育ちやすい特徴を持つ。はっきり言って桜の中では異端で新参です。

西行が歌った桜は山桜で、奈良吉野の桜はすべて山桜だ。私の家の前の森にも立派な山桜が数本そびえている。山桜は高木で20メートルくらいにそびえ立つ。好みで言えば断然山桜だ。葉が同時に出るので色調が大変美しい。なんだか山桜というネーミングがオーソドックスな桜と異なるような響きだが、此方の方が本家「桜」だ。本家「桜」がそろそろ復権する時期に来ているような気がする。万と咲く吉野の山桜の下で朝日をあびて心静かに酒を飲むのが長年の夢であるが、なかなかかなえられていない。
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