バリでひらかれたCOP13ではCOP3の京都議定書で離脱していた米国を呼び戻した。実に10年ぶりのことだという。それにしても離脱したこと自体は永遠の汚点になるだろうに。どんな風にして離脱が決まったのか。そのドキュメントを読みたいものだが。一方COP13のバリでも発展途上国は中国をはじめとして削減目標達成を拒否する姿勢を貫いているという。
発展途上国が反対しているというのは「衣食足って礼節を知る」=「衣食足って地球環境を考える」との考え方だろうが、このことわざは衣食足った後にも世界・地球は絶対的に安泰であるという前提に立っている。しかし発展途上国がなりふり構わずに排出を続けた後には後戻りできない環境破壊が待ち受けているとしたら共倒れの危機に瀕しているというべきだろう。
発展途上国のリーダーは頭では排出規制の必然性を理解できても自国の貧困ぶりを自覚した場合にそう簡単に同意できない事情も理解できないわけではない。資本家と貧困層の突き上げで自己の政権基盤がゆるむほどの打撃を受けるのだろう。金持ち国のアメリカでさえ自国の資本家の突き上げで反対したのだから当然発展途上国のリーダーがそう考えても無理はないという拒否の理由をアメリカは与えてしまった。今から大統領選挙を経てどう世界のリーダーシップを取るか。反動で思い切ったリーダーシップをとってくれるといいが。
発展途上国では貧困が環境問題の足を引っ張ることは明らかだろう。8億が貧困に苦しみ、幼児が5秒に一人餓死しているという貧富のアンバランスの中で環境問題など頭にかすめもしない人も多かろう。文字の読めない人も8億というから一層そうだろう。
考えてみれば餓死するほどの貧困問題と地球環境問題は同根だと気がついた。どちらも日本人を始め先進国では身近な問題ではない。家族や知人の範囲で貧困で餓死する人や病院にかかれない人はいない。同様に氷が溶けて生活が脅かされるシロクマのように切実に環境変化を感じることもない。禁煙運動のように身近で肺ガンその他の苦痛を受ける人もいない。一部の目覚めた人をのぞいて人々は「しらぬが仏」が全人類の共通感覚なのではないか。
地球上の生物は自分の周りの塵を払うだけで十分対処が可能であった。危機を肌身で感じるようになって対処しても十分間に合った。このように組み込まれた危機対処のプログラムが環境問題では対処不可能になっている。この人類に組み込まれたプログラムの有り様こそが最大の弱点なのだろう。
幸い先進国だけではあるがブロードバンドも普及してきている。人類は従来の肌身感覚に加えてあらたな手段をを手に入れたというべきだろう。こうした手段を通して世界の環境汚染を動画を含む映像で流し続けることが環境破壊防止にいささかの貢献をすると思うのだが。グーグルさんyahooさんあるいは篤志家さん、 衛星地図を流すように企画してくれないかなあ。世界の100ポイントの映像と気象データを株価変動のように示すデータ・グラフ あとは指標となる各種データがあればベター。掲示板に世界中の人が具体的な事象をレポートしてくれればすばらしい。
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