まさおレポート

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河津誠一「イノベーション創出・活用教本」 メモ

2018-06-02 | 小説 音楽

今年は正月以来今まで色々と片付けることが多くてやっと目を通すことができた。創造的発見の方法をビジネスに適用するための意欲的な力作であり、論文としてまとめたものだが日常に小さな創造を心がける読者にも参考になる点が多い。既に知っていることでも整理することに大いに意義がある。以下の点を我が身に引き当てて感じたのでメモしておきます。

セレンディピティーの重要性 懸命に努力する人に対する天からの偶然の贈り物なのだが、これが世の中の創造に大きな力を発揮する。3Mの再剥離テープやペニシリンの発見の偶然性が例示されている。ノーベル賞創設のノーベルがダイナマイトを発見したのもセレンディピティーで、宇宙物理学に多大な進展に貢献した宇宙マイクロ波背景放射の発見者ペンジアスとウィルソンは、ベル研究所でアンテナの雑音を減らす研究中に偶然に発見した快挙だ。大なり小なりこの恩恵に預かる創造者は多いだろう。不肖私でも小さなセレンディピティーに恵まれて商品開発が成功した経験がある。

科学者や数学者もセレンディピティーの恩恵に浴している、数学では谷山豊の谷山–志村予想がアンドリュー・ワイルズのフェルマーの最終定理の解決に貢献しているが、これなどもセレンディピティーの恩恵と言っていいかもしれない。

谷山はたくさんの間違いを犯す、それもたいていは正しい方向に間違うという特別な才能に恵まれていた。私はそれがうらやましく、真似してみようとしたが無駄だった。そうしてわかったのは、良い間違いを犯すのは非常に難しいということだった。wiki

旅人のモードになって創造するというのも身近に感じる記述で、これもまた世界漫遊でもろもろの知見を得て、それを商品化に結びつけた連れ合いを見ていると経験的にそのとおりだと多いに納得ができる。

《旅人のモードになるには》目や耳、口、鼻を使って現場の雰囲気を「感じる」。出来るだけ多くの具体的なイメージを五感で感じ、目の前のユーザーに共感する。感じたことを記録としてできるだけ多く残すことがポイントである。

我々は旅先で撮った膨大な写真をブログで整理していったががそれでも追いつかず、10数年経った現在も左脳を使って「消化する」ことを日課にしている。時間は創造の揺籃籠だとつくづく思う。温故知新の意味はこんなところにもあるのではないか。

《ジャーナリストのモードになるには》旅人のモードで記録したノートや写真、動画映像などを、左脳を使って「消化する」。ここでは、事実と解釈をしっかり分け、リサーチで得たことをしっかりデータ化することが重要である。

後で旅の出来事を振り返るときには左脳と同時に右脳も使っていることが自覚できる。報道などに接して何かしらの類似点を感じ取っていることに気がつく。メタファと言って良いが、これなどは右脳を使ったことになる。左脳と右脳を結合するには時間の熟成が必要らしい。

《編集者のモードになるには》ジャーナリストのモードで得た様々な刺激から、世の中を自分達のユニークな切り口で表現して提示する。ここでは、右脳を使うことがポイントである。


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