まさおレポート

当ブログへようこそ。広範囲を記事にしていますので右欄のカテゴリー分類から入ると関連記事へのアクセスに便利です。 

記憶の断片 青年とつきそう男性

2011-06-13 | 心の旅路・my life・詫間回想

生まれ育った家から2町先に阪急電鉄創始者の小林一三が開発した富裕層が住む街があり、そのなかでも抜きんでておおきな門構えと高い塀に囲まれた家があった。その家からいつも青年と初老の男性が散歩にでる。その青年は今から思うと16歳くらいかもしれない。青年は穏やかな目をした知的障碍者で既に大人の体格をしていた。つきそう人は60歳前後と思われ、鼻の下にごま塩の口ひげを生やした、がっしりした体格の、風格の漂う男性だった。その富裕な家に知的障害を持つ子供の世話のために雇われた元教育者、あるいはおそらくは船場の大繊維卸会社オーナーであろう青年の父親の退職した部下(幹部)であるかもしれない。付き添いの男性はハンチングにニッカボッカといういでたちで時に小学校の帰り、時に家の前で出会う。青年はうつむき加減に穏やかな顔を浮かべて男性に従う。海岸の砂ほど多い記憶の中でなぜこの記憶が浮かんでくるのかいまだに不可解だが、今から60年近い前の記憶の断片だ。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。