まさおレポート

数学と物理学 空と輪廻のメタファの宝庫

相対理論や量子諭については専門家ではない。この分野についていわば半可通であるが仏教の空や輪廻の理解におおいなるメタファを与えてくれる気がする。勘ちがいを恐れずに相対理論や量子諭が空や輪廻のメタファだと思える事柄をメモしてみよう。

空や輪廻と科学

空を信じるかどうか、輪廻を信じるかは究極のところわれわれの直観で納得することでしかない。科学で空や輪廻がどこまで理解できるか。元来、探求の方向性がことなり、直球ストライクの回答を期待するものではない。しかし、メタファは出そろい始めている。朝永振一郎が、ファインマンの言葉を引用した
「夜、街灯の下で何か探している人がいる。何を探しているかときくと、鍵を落としたという。どこで落としたかと聞くと、どうも向こうの暗いところで落としたらしいが、あそこは暗くてわからないからここを探しているのだ、と答えた。今の物理学はそんなものだよ。」は今の物理学の現状をあらわしている。今後、メタファはさらに増えてくるのではないか。

臨死体験も信頼できそうな人からの体験(米国の神経外科医、エバン・アレキサンダー(Eban Alexander)氏が書いた臨死体験に関する手記Proof of Heaven )が語られている。しかしあくまでも臨死であり、死後の世界とは一線を画する。従って近くまではいけるが到達できない。

南米の薬用植物による不思議な体験をアプローチをコリンウィルソンがアトランティスの暗号で記しているが、これも一つのアプローチの方法かもしれない。しかしオーム真理教事件で薬物による瞑想は極めて危険なこととして知られてしまった今、この方向の研究が進むとは思えない。

現代人にとってはメタファこそが空や輪廻に思考でアプローチする唯一の補助手段方法であるが、メタファにはひょっとして補助手段以上の力があるのかもしれない。

空や輪廻のメタファとしての量子力学

E=MC2は空そのものではないか。ある瞬間には絶対的にあると思われる物質が存在するかとおもえば縁によってエネルギーになる、つまり物質は消えてエネルギーに変化する。

空や輪廻のメタファとしての量子力学

科学でのアプローチが無理なら古代から文学、宗教に使われてきたメタファはどうだろう。あくまでも暗喩ほのめかしであり、説明力が不足すると考えてもみたが、しかしアリストテレス『詩学』に「もっとも偉大なのはメタファーの達人である。通常の言葉は既に知っていることしか伝えない。我々が新鮮な何かを得るとすれば、メタファーによってである」とあり、もっとも偉大なのはメタファーの達人とありほのめかしなどという低レベルとは考えていない。
近年では、メタファーは単なる言語の要素ではなく、人間の認知と存在の根幹に関わる要素だという認識がされるようになり、メタファーを基礎に据え、概念理解のしくみ・構造を解明しようとする研究が進められている。by wikiと述べ、人間の認知と存在の根幹に関わるものと認識するらしい。

聖書も仏教もメタファーに満ちている。現代人に修行や瞑想で空や輪廻を理解せよといっても無理な要求だろう。メタファによる以外にどんな道があるだろうか。もちろんメタファはメタファであり、ホーキンス博士のように死後の世界など人間の暗闇を恐れる気持ちが作り出したものだという人に説得できる筋合いのものではないし、そこまで求めるのは酷だ。しかし直観を補う意味では極めて有効なものだろうと思う。

複素数や量子力学で何を暗示するか

数学や物理学では空や輪廻は証明できないが20世紀に急激に発達した量子力学では空や輪廻のメタファに満ちている。果たしてどのようなことを数学や物理学とメタファは語りかけてくるのだろうか。数学ではゲーデルが完璧な言葉の世界の構造の深い理解や人間の合理的思考の限界を証明した。(論理学者ゲンツェン(1909-1945)は自然数論の無矛盾性は証明したのだが)自然(宇宙)、我々の心、そして言葉(数学)が絶妙に絡み合う神秘は完全に解かれる日は永遠にないのかも知れない。それでも物理学と数学の成果から空のメタファを感じ取ることはできる。

「数学は神が宇宙を書くためのアルファベットである」とガリレオ・ガリレイは述べたが現代でも数はいったいどこからやってくるのかいまだ闇の中の状態で 根源も行き着く終着駅もわからない旅がつづいている。聖なる世界を追い求める姿勢が似ている。

 数学の複素数は見えない世界の振舞を表し、見える世界では絶対値にする。量子力学では観測して初めて確定する量子の二重構造を表すのに複素数がぴったりだ。しかし複素数の歴史は懐疑の歴史でもあり電気磁気学をはじめとした有用性のみが複素数の存在を認める根拠だということは重要だ。科学的であるあるといった根拠はこの程度のものである。複素数は空のメタファとして最上級ではないかと思うのだが、では空の存在根拠は一体何かとなると有用性でもない。無意識にひそむ物語性だろうと見当をつけてみるのだが。

物理学では下記のシュレーディンガーの波動方程式をはじめとする量子力学が有効なメタファとなる。

ihbarfrac{partialpsi}{partial t}   =H_x psi(x,t) φは波動関数

シュレーディンガーの波動方程式でψの2乗が電子のある位置の存在確率になる。電子がある場所と時間に存在する確率がΨ(複素関数)実在の根源にせまる理論で理論的には地球上のある一つの電子が火星で観測される可能性は0ではない。また、ψのことが実はよくわかっていないのが現状で観測問題といわれる未解決難問を残している。観測者が観測した瞬間に重ね合わせの状態が解除されて、波動関数の収縮が起き、現実が一つに決定される、シュレーディンガーの猫で有名なコペンハーゲン解釈はあくまで解釈であり、いまだ未解決難問であることを示している。

現在とは過去と未来からやってくる波動関数ψがぶつかりあってうまれるという表現があったが空のメタファとして使えそうな予感がする。

Hψ=0は宇宙はエネルギーが0の状態つまり無からできたことを表す方程式だが無を空と置き換えても坐りがよい。量子は潜在的可能性をいくつも持っている。電子がある場所と時間に存在する確率がΨ(複素関数)実在の根源にせまる理論で理論的には地球上のある一つの電子がアンドロメダ大星雲に観測される可能性(確率)は0ではない。可能性のうちどれか一つが観測によって現実化する。この表現に複素数が有効になる。このことから量子力学は認識する者の存在自体、「こころ」を語り始めているという。観測すると現れ、そうでないときは複素数となって姿を消す。観測を「こころ」の作用だとすると「こころ」を語り始めているのかもしれない。

光にとって宇宙は存在しない

全ての物理量は、光速になると次のようになる。
   ①長さ:ゼロになる。
   ②時計:進まなくなる。
   ③質量:無限大になる。
つまり光の立場に立てば、宇宙は存在しないことになる。時間は止まり空間も無く運動もない。これを裏返して言えば、光速より早いものは存在しないとなる。

これって空仮中ののことではないかと。

物理学者もメタファを好む

アインシュタインは「この宇宙で最も不思議なことは、我々人間にとってこの宇宙を理解可能であるということだ」我々の脳がこの宇宙の仕組みのもとに働いてい、人間の頭がつくりだす数学や物理学がこの宇宙につながっているというのもメタファだ。「神はサイコロを振らない」もメタファだがこれはニールスボーアによってサイコロを振ることがわかった。

ビッグクランチは輪廻のメタファ

この宇宙は「輪廻」しているとも見れる。
いつまでも限りなく膨張し続けるか収縮をはじめる。中性微子(ニュートリノ)が質量を持ち、宇宙はどうも収縮しそうだ万有引力が膨張する力をどこかで上まわり、宇宙は、一点にまで縮む。
ビッグクランチは、再びビッグバンに膨張・収縮が繰り返される

相対性理論、量子論の時間・質量は空のメタファ

4次元時空間のピタゴラスの定理は、x2 + y2 + z2 - (ct)2 = τ2

不変定数(c)を掛けることにより、時間を、空間と対等な単位にしたとき、2乗項がマイナスになるというのは、時間というものが虚数だと考えることもできる。

光速度を超える粒子は静止質量が虚数になる。
タキオン ジェラルド・ファインバーグ氏以来、誰が挑戦してもそれは発見されていない。
タキオンが、実際に発見されれば、現実に、過去に情報が送れることになる。 

人間が時間を認識するのは、「熱力学の第2法則」があるからではないのか。

原因の結果としての「記憶」が蓄積されるからこそ、「時間」が存在する。

全てのものは、自己が存在するための補完である。

相対性理論、量子論は「認識体との相対によってしか存在は無い」すなわち客観的時空や絶対的存在というのはないということを導く。

メモ

「光のスピードになると時間が止まってしまうんだよ。だから光を超えるものは存在しない」子供の時にみた幻視がアインシュタインの相対性理論を導いたとのエピソードがある。

無の射影としての存在性は空のメタファ

存在の実態において、現象表面的には静止していても、細胞レベルでは新陳代謝し、分子は振動し、原子レベルでは回転し、という具合に、現象階層性を遡るほどに、より高速で運動しており、スーパーストリングやM理論といった“究極の理論”においては、量子相互作用=光速に至っている。
光速で運動する物体は時間が経過しないという事からいえば、宇宙の発生は階層現象表面性に付随して派生するものであり、原理的には宇宙の果てのビッグバンの壁と“瞬間相互作用”でつながっている=現象表面的時空仮説に対する“光の風(量子相互作用)”=認識可能性における無の射影として、存在性は発生している。http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1230274857より

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