「未来年間賞は二人の女①」
先日発表された芥川賞も直木賞も女、女、女。そして「未来2月号」に発表の★★「未来年間賞」も女、女である。女が強くなったのか、男が弱くなったのか、偶々なのか。わたしの所属している歌誌「未来」は1年に1度、会員たちの応募作品から「未来賞」が選ばれる。更に前年の誌上の作品から、選考委員により「未来年間賞」が選ばれる。2013年度は岩岡詩帆さんと守中章子さんが受賞した。 今日は岩岡詩帆さんをご紹介する。
★岩岡詩帆さんは大辻隆弘氏に師事し、現在「未来」の<夏韻集>に所属。昨年1年間に発表された中から15首の作品が「未来2月号」に掲載されている。わたしの好きな5首を抄出。
われのゐるところ 岩岡詩帆
われの曳く影を踏みつつすぎゆきの半分ほどをこの人は知る
切岸に追はるるごとき極月を熊谷守一の猫は居眠る
ぬきさりし本の厚みに薄闇のととのひてゐて寒の図書室
あかあかと椿は落ちぬあるときは根の国へゆく道に従きつつ
なかぞらにけものめくもの曲がるものもの思ふもの芽吹きといふは
岩岡詩帆さま おめでとうございます。あなたはお若いのに私より大人ですね。
1月30日 松井多絵子