☂{ 山頂に立ちし後 }☂
★ 往きはよいよい帰りは怖いその通り、下山の道の雨はシャワーだ 松井多絵子
8月8日、予報では台風が接近している伊吹山へ向かった。クラブツーリズムの1泊のバスツアーである。2時半に山頂駐車場に着いた時は雨は降らず風も吹かず薄陽がさしていた。標高1260m、涼しい、見下ろせば山々は雲をまとって私は雲の上のひと。山頂は見えないがここより117mだ。頂上への西遊歩道コースは傾斜が緩やか、ツアーの39名は全員この道を歩きだした。ニッコウキスゲ、イブキシモツケなどの咲く辺りから、地図では琵琶湖の竹生島が見えそうだが下界は見えない。山頂まで40分の緩やかコースなのに私はツアーの列から落ちこぼれる。老人2人と若い女性2人が先頭からかなり離れて私とともに歩いた。頂上に立った時のうれしかったこと。
わたしは「下り」には自信があった。急こう配の中央遊歩道コースは、登りは20分である。下りはせいぜい10分、ところが急に雨が降りだし、だんだん激しくなった。通気性のある雨衣は大雨はふせげない。下着までぬれて歩きにくい。滑ってた時にすぐ起き上れなかった私を、若い女性が手を引いてくださった。ゆきずりの人、一人登山の、この、「女神」のおかげで私は無事に山頂駐車場迄もどることができた。集合時間より20分も早く。
★ 関ヶ原にてしゃぶしゃぶを食む夕餉、わが手ににぎる箸は矢となる 松井多絵子
「伊吹山」のツアーは直前に3名のキャンセルがあったそうである、私も夫にキャンセルするように再三言われた。でも参加してよかった。何年ぶりだろうか、山の頂上に立つことができたのは。私はまだ使えるのだ。登山は短時間で達成感を得るられる、などと書くと登山家に叱られますね。頂上に立つまでの日頃の精進。アナタのは登山なんて言えない」
旅をすると日本って広いなあ、多彩だなあって思います。さて次は何処へ?
8月5日 松井多絵子