えくぼ

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淋しい人はボケる

2014-08-17 09:05:27 | 歌う

           { 淋しい人はボケる }

♥ 淋しいとウサギは死んでしまうとかペットショップにウサギはいない  松井多絵子

 8月になってから本の広告に、「靖国神社」「日本の軍歌」など戦争に関わるものが多い。そのなかに ✿ 「淋しい人はボケる」 朝刊片隅のスリムな広告だが、気になる。著者・高島明彦は国立長寿医療研究センター理学博士。中年を過ぎると知っているはずの言葉、人名が出てこない人は ボケ予備軍ですよ と警告している。 私もその一人ではないか。

 「孤独だな」と思ったら要注意! 孤独にしたマウスの脳には萎縮がみられるが、実際に独身者がボケるリスクは既婚者の2倍も高い。このような心理・習慣をいかに避けられるかが、ボケる脳とボケない脳の境目となる。老化しない脳を保つ秘訣を伝授、してくれる本だそうだが。

 ウサギは淋しいと死んでしまうとか、人間だって孤独が死を招くのではないか。Y子の死を思う。毎月1度健康診断を欠かさず、血圧が少し高い程度で健康そのものだった彼女が76歳で亡くなった。メリーウイドウ10年。しかし亡くなる数年前には彼女はだれとも交流がなかったらしい。

 地方に育ったY子は東京の人と結婚、夫は中堅会社の役員、2人の息子が国立大の学生になった頃から、彼女の人脈作りが始まった。歌会に参加して、作品より作者の素性を知りたがる。旅行や園芸にはまつたく興味がない。仲間の家庭のことばかり話題にする。息子たちの嫁に上流階級の娘を得る為の交際、仲間たちが彼女から離れ、息子たちは相手を見つけ、ご主人は他界した。実益のない趣味は興味のない彼女は、働き蜂、遊ぶこと、楽しむこができなかったのだ。健康管理の行き届いていた彼女の死に私たちは驚いた。子供たちからも疎外された彼女の死因は定かではない。おそらく孤独だったであろう。淋しいと人間だって死んでしまうのではないか。長く生きれば自分の相手は自分がするしかない。自分をいかに楽しませ、退屈させないか、高齢者の課題であろう。

    高島明彦先生  わたしが今一番コワイのはボケることです。 

                     8月17日  松井多絵子